日本は3位!世界の国家予算ランキング (2017年度情報)

みなさんは日本やアメリカを始めとする、各国の国家予算がいったいどれくらいかご存知でしょうか?

本記事では、アメリカのCIA(中央情報局)の情報をもとに、2017年の各国の国家予算の額と、そのランキングをまとめました。公務員として、押さえておきたい知識です。

はじめに – アメリカのCIAが掲載する世界の国家予算

国家予算とは各国における歳入と歳出のことですが、収支のバランスや、どのようなことに予算を割いているかなどがひと目で分かる「その国を知る指標」としても使われています。

今回は主要な経済大国を中心にして、各国の2017年度の国家予算についてご紹介します。

合わせて、各国がどのような予算配分をしているかなどにも解説していますので、その国を理解するのに役立てて下さい。

なお、本記事では、2017年度のデータを使用し、1ドルあたりの円の価格は、2017年のドル円相場から、仮に112円で設定して、計算しています。

また、データは、アメリカのCIA(中央情報局)2017年国家予算情報を利用しています。

国家予算ランキング – 2017年度

ここでは独自に集計した最新の国家予算ランキングをご紹介します。また、各国の予算配分やそれらの傾向から見える問題点や課題などについても解説しています。

第1位・アメリカの国家予算 – 会計年度2017年 (赤字)

歳入:3兆3,150億ドル(371兆2,800億園)
歳出:3兆9,810億ドル(445兆8,720億円)
赤字:6,660億ドル(74兆5,920億円)

世界で最も国家予算が大きな国はやはりアメリカです。

歳入の大半は国民の所得税、給与税、社会保障の3つが占めています。歳出で最も大きな要素は「国防費」で、続いて公的年金、メディケア、メディケイドなどの社会事業に関連する予算が大きいことが特徴です。

世界第一位の経済大国と言われているアメリカですが、歳入よりも歳出の方が圧倒的に多い状態の「財政赤字」が20年も続いており、トランプ政権になってから減税と歳出拡大によって財政赤字が高水準になっています。

なお、アメリカの国家予算については、以下の記事もご参考ください。

アメリカの財政赤字は拡大中!アメリカ国家予算は約485兆円(2020年度)

2020年度の日本の「国家予算」は、102兆6580億円です。自分の国の国家予算は知っていても、他国の国の国家予算まで知っている人は多くありません。この記事では、アメリカの国家予算について、徹底解説します。

第2位・中国の国家予算 – 会計年度2017年(赤字)

歳入:2兆5,530億ドル(285兆9,360億円)
歳出:3兆80億ドル(336兆8,960億円)
赤字:4,550億ドル(50兆9,600億)

アメリカに次いで国家予算が大きい国は中国です。

中国もアメリカ同様で「国防費」に関する歳出が多く、注目は「科学技術」に関する予算で、成長分野である宇宙事業やIT、AI技術などでアメリカを意識しているとされています。

中国の国防費はアメリカと比較すると4分の1程度ですが、国家予算全体の割合ではアメリカと大差がないことから中国の国防力強化は警戒されています。

社会保障に対する歳出は、日本(33%)やアメリカ(50%)では歳出の大半を占めていますが、中国ではわずか4%です。中国の国家予算は、公共事業や地方分配のふたつで80%を占めていることが特徴です。

第3位・日本の国家予算 – 会計年度2017年(赤字)

歳入:1兆7,140億ドル(191兆9,680億円)
歳出:1兆8,850億ドル(211兆1,200億円)
赤字:1,710億ドル(19兆1,520億円)

日本は世界で3番目に国家予算が大きな国です。

歳入よりも歳出の方が大きい財政赤字の状態が続いています。歳出の内訳は大きく分けて「社会保障(33%)」「地方財源(16%)」「国債利払い(23%)」になっており、アメリカや中国と異なり国防費が5.2%と少なめです。

日本は主要国の中でも「文教及び科学振興費」の割合が大きく、学校教育、宇宙開発、海洋開発などの科学開発に注力しているものの、アメリカや中国と比較すると金額が少ないため、将来性があるこれらの分野で後れをとっているとされています。また、アメリカと同様で「社会保障」の負担が大きいことが課題です。

第4位・ドイツの国家予算 – 会計年度2017年(黒字)

歳入:1兆6,650億ドル(186兆4,800億)
歳出:1兆6,190億ドル(181兆3,280億)
黒字:460億ドル(5兆1,520億円)

ドイツは主要国で数少ない国家予算が黒字の国のひとつです。

2014年から黒字の状態が続いており、2018年には過去最高の黒字を記録しました。ドイツでは移民問題や国民の16.5%にも及ぶ貧困率が問題視されており、経済力の低下にもつながっています。各省庁への費用削減で対応してきた黒字情勢がどこまで続くか注目されています。

第5位・フランスの国家予算 – 会計年度2017年(赤字)

歳入:1兆3,920億ドル(155兆9,040億円)
歳出:1兆4,590億ドル(163兆4,080億円)
赤字:670億ドル(7兆5,040億円)

フランスは慢性的な財政赤字を削減する政策を進めてきましたが、2018年11月に始まった「黄色いベスト運動」の影響を受け、所得税減税や住民税減税など家計向けの大幅な減税に舵を取りました。また、企業向けの法人税を段階的に引き下げることや、5年間で12万人の公務員を削減するなど歳出を減らす工夫を続けています。

世界経済は不安定ながら、フランス国内の需要や政府による購買力支援措置の恩恵を受けた国民の消費が拡大すると見られ「堅実な国家予算」を目指しています。

第6位・イギリスの国家予算 – 会計年度2017年(赤字)

歳入:1兆280億ドル(115兆1,360億円)
歳出:1兆790億ドル(120兆8,480億円)
赤字:510億ドル(5兆7,120億円)

イギリスは他国と比較して予算規模は大きくありませんが、歳出の多くは社会保障(31%)と医療(19.2%)が占めています。歳出で3番目に大きいものが「教育(12.6%)」という点はイギリスらしいと言えるでしょう。イギリスのEU離脱に関連する予算は累計で40億ポンドを超えており、毎年のように上積みされています。

イギリスはリーマンショック以降、10年にわたって増税または予算削減で財政赤字を調整する「緊縮財政政策」に注力してきましたが、毎年財政赤字が改善されつつあることからイギリスの財政状況はあと数年で良くなると見られています。

第7位・イタリアの国家予算 – 会計年度2017年(赤字)

歳入:9,033億ドル(101兆1,696億円)
歳出:9,481億ドル(106兆1,872億円)
赤字:448億ドル(5兆176億円)

ヨーロッパで3番目に国家予算が大きいイタリアですが、実はEUからの金融支援が最も多いギリシャの次に支援を受けています。そのため、財政状況は決して良いとは言えません。加速する一方の貧困問題を終息させるために、減税や定年引き上げを撤廃するなどの策を投じていますが、2018年にはEUの欧州委員会から予算案の修正を要求されています。

EUから厳しい目を向けられているイタリアは、EUからの制裁だけは何とか回避したい構えですが、付け焼刃の国家予算案という印象は否めません。イタリアの債務状況は警告が必要なレベルとされています。

第8位・カナダの国家予算 – 会計年度2017年(赤字)

歳入:6,496億ドル(72兆7,552億円)
歳出:6,657億ドル(74兆5,584億円)
赤字:161億ドル(1兆8,032億円)
カナダの国家予算は財政赤字が続いていますが、2015年から「ミドルクラスへの投資(中間層)」と呼ばれる政策を導入し、900万人の中間層を対象にした減税、住宅を手に入れやすくする国家住宅戦略、退職手当を段階的に50%引き上げるカナダ年金制度などを継続しています。これにより、失業率の低下、新たな雇用創出、個人の貯蓄や消費も増えていることが特徴です。

直近ではミドルクラスへのテコ入れを図ったことで、198億カナダドルの財政赤字が2023年には98億カナダドルに減少するとしています。政府の重点的な政策がうまく機能していることから、数字こそ小さいものの建設的な国家予算と言えるでしょう。

第9位・ブラジルの国家予算 – 会計年度2017年(赤字)

歳入:7,337億ドル(82兆1,744億円)
歳出:7,563億ドル(84兆7,056億円)
赤字:226億ドル(2兆5,312億円)

ブラジルの国家予算は過去黒字もありましたがが、2017年度は赤字です。財政は非常に脆く、その理由が年金大国と呼ばれる体質で、年金支給開始年齢は55歳、支給額は退職時の70%という好条件にあります。また、ブラジルの財政を支えている石油などの自然資源価格がひとたび下落すると国の財政は一瞬で悪化(ハイパーインフレ)する不安定な状態です。

ブラジルは歳出の3分の1がこの年金制度に充てられているため、新型コロナウイルスの問題が長引いて世界経済が失速すると、年金が原因で国が破綻する可能性もあります。年金制度改革は反対が多く困難のようです。自然資源に頼る政策が行き詰まると国家の財政は大幅に悪化するでしょう。

第10位・オーストラリアの国家予算 – 会計年度2017年(黒字)

歳入:4,900億ドル(54兆8,800億円)
歳出:4,699億ドル(52兆6,288億円)
黒字:201億ドル(2兆2,512億円)

オーストラリアの歳出は社会保障・福祉、保健、教育の3要素で60%程度を占めており、削減が難しく長らく財政赤字が続いていましたが、2017年会計年度では、財政黒字になりました。資源価格の上昇に関連して雇用が増加し、個人所得税の増加につながったとしています。

黒字化を歓迎する反面で、輸出額の3割を占める最大の貿易相手である中国の景気が減速していることや、規制引き締めによる国内の住宅価格下落が止まらないなど不安要素も残っています。カナダのようなミドルクラスへの投資に倣って、低中所得者への減税や税還付などの支援を打ち出していますが、歳入の減少は避けられない見通しです。

まとめ

国家予算のランキングは上位5位に関しては毎年同じ傾向で、なかでもトップ3はアメリカと中国、日本が常に独占しています。ヨーロッパではドイツ、フランス、イタリアが常連ですが、イタリアは財政状況が思わしくなく将来的な構図は変わるかもしれません。

トップ5以下では財政の安定性に課題がある国が多く、世界経済の影響を受けやすい傾向があります。とくにブラジルやオーストラリアは天然資源の価格によっては歳入が大幅に変わるためランキングも変動します。

国家予算はあくまでもその国を知るための目安であり、必ずしも黒字であれば良いというものではありません。国家予算を細分化して見ていくと、その国の強みや弱み、課題、政策の有効性なども見えてきますので、主要各国の国家予算は注視することをおすすめします。

本記事は、2020年5月25日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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