幼稚園の年長児が運動会に向けた活動をする際のねらいと大事なポイント

一般的に運動会を実施している幼稚園は多いことかと思います。

今回は運動会にむけた活動を通して、どのようなことを子どものねらいとしてたて、教師はどのような援助をしていけばよいか、大事なポイントについて紹介します。


年長児ってどんなことができる時期?

年長児は友達との関係も深まってくる時期です。

友達との繋がりの中で、子どもが自分の思いを出したり、相手に合わせたりしながら、友達と一緒に作り上げたりやり遂げたりする喜びを感じられるようになります。

また、係や役割意識も芽生え、自分なりに目標を設定してそれに向かって挑戦する気持ちも育つようになる時期です。

運動会に向けた『ねらい』

運動会を行うにあたり、子どものねらいとして以下の4つをあげてみました。

1)子どもが自分たちなりの目標を持って取り組み、自分たちで進めていく運動会であることの自覚をもつ

2)子どもが自分達で係や役割を決め運動会の運営に関わっていくことで自信をつけていく

3)子どもが年長の競技や遊戯をすることで、年長児として年少や年長とは違うという自信と自覚をもっていく

4)運動が得意な幼児ばかりではなく、苦手な幼児にも活躍の場を持たせ、子どもが自信を持てるようにしていく

運動会に向けた活動をするにあたり教師が意識する大事なポイント

上記の4つのねらいを子ども達が達成できるよう、教師はどのような援助をしていけばよいのか、大事なポイントについて詳しく紹介していきたいと思います。

運動会に向けた活動をするにあたり教師が意識する大事なポイントその1:教師は子どもが主体的に進めていけるようにサポートする

幼稚園生活最後の運動会では、年長児が係活動や競技の練習などにおいても、『先生から言われたことをただやる!』のではなく、『今年の運動会はこんな風にしていきたい!』『~を頑張りたい!』という目標を1人ひとりが持ちながら主体的に進めていけるようにしていくことが大切です。

教師が援助するポイントとしては、1人ひとりがするべきことが明確になるように話を整理してあげたり、表にして掲示してあげたり、努力している姿をその場で認めたりしていくことが必要です。


運動会に向けた活動をするにあたり教師が意識する大事なポイントその2:教師は、子どもが自分の役割に責任を持てるよう、さりげなく声かけする

子どもは自分が運動会をするにあたって任された係があることで、責任の意識を持ったり、役立ち感を感じる経験ができ、係の仕事をやり遂げることで自信にもつながっていきます。

教師が援助するポイントとしては、係の仕事を果たそうとしている姿を言葉にして認めていくことが大切です。

また、係ごとの集まりがあることを忘れている子がいれば、「今日何か係の仲間で集まることなかった?」とさりげなく気づくように声かけすることで、子どもがさも自分で気づいたかのようにしていくことも必要です。

運動会に向けた活動をするにあたり教師が意識する大事なポイントその3:教師は運動会当日に向けた過程の中での『子どもの育ち』を見逃さないように意識する

遊戯を例にあげると、年長児はただ楽しく友達と踊りを楽しめれば良いというわけではない学年です。

私の勤めていた園での話になりますが、遊戯も隊形異動のグループごとに練習に取り組んでいました。

子ども達は運動会に向けて好きな遊びの時間にグループ内で時間を決めて、声を掛け合い、手の動き左右の動きがそろうように鏡の前で練習をしていました。

その”過程”が大切なのです。

子ども達は、遊戯の練習に取り組む中で『グループの仲間と決めた集合時間や友達からの誘いを無視していてはグループの仲間に迷惑がかかる』『友達が左右の向きの違いを教えてくれたおかげで、グループ内の動きがそろうようになってきた』といったようなことに、気づくことができます。

その気づきが『子どもの育ち』です。

教師は『子どもの育ち』を見逃さず、育ちの姿をきちんと言葉にして子ども達に伝え、認めていくことが重要です。

運動会に向けた活動をするにあたり教師が意識する大事なポイントその4:教師は子ども同士が互いの良さに気づけるようにする

運動はやはり、得意不得意があるものです。

徒競走やリレーなどは見てわかるように走るのが速い子がどうしても目立ちます。

運動会はそんな目立つ子にスポットがあたりがちですが、教師は様々な場面で他の子どもの良さを言葉にし、周りの子どもたちにも気づくようにしていく必要があります。

例えば、「〇〇くんは絵を描くのが得意」「~くんは色々な虫を知っている」「~ちゃんはいつも困っている友達を助けてくれる」「~ちゃんは皆の前で踊るのが好き」等、教師は子どもたちの色々な良さをつぶやき、子どもたちが互いに気づきあえるようにし、1人ひとりの自信に繋げることが大切です。

まとめ

運動会は家族に子どもの成長している姿を見てもらう貴重な機会です。


しかし、教師にとっても子ども達にとっても、運動会を『やらなければならない』『こなす』というのでは活動をする意味がありません。

教師は運動会で、年長児の子ども達にどのようなことを経験させたいか、どのようなことをねらいにするのかを考え、当日までの子ども達の『過程』を大切にしながら、子ども達が達成感を感じられる運動会になるように、保育を計画していくことが大切ですね。

本記事は、2023年6月16日時点調査または公開された情報です。
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