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年長児のリレーのねらい・遊び方と教師が意識するポイント

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目次

そもそも年長児のリレーとは?

年長児のリレーとは、一般的なリレーのルールと変わりはありません。

年長児になると、友達と協力したり共通のめあてを持つことができるようになり、勝ち負けの面白さも分かるようになります。

そのため、一般的なリレーと変わりないルールで遊ぶことで、年長児の育ちに必要な経験ができるようになります。

チーム対抗戦で、1人ずつ順番にバトンを持って走り、次の友達へバトンを繋いでいくというシンプルなものです。

ポイントとしては年長組なので、チーム内で子ども達がチーム名や走順を相談して決めることを行います。

年長児リレーの活動に入る前にしておくと良いこと

運動会の時期になったからといって急に、一般的なリレーのルールで遊び始めるのはオススメしません。

年中の後半頃(もしくは年中の運動会で年長児のリレーを目にした頃)から、折り返しリレーや勝ち負けのないエンドレスリレーで『バトンを繋いで走る』という経験をしておきましょう。

また、一般的な棒状のバトンを使う前にリングバトンを使って遊んでおくのもオススメです。

年長児のリレーのねらい

年長児のリレーは、何のために行うのでしょうか。

年長児でリレーを行うにあたって、大きく3つの『ねらい』があります。

1)友達と共通の目的をもって遊ぶ楽しさが分かる


2)チームの仲間と力を出し合うことの大切さを感じる

3)自分の力を出さなければならないことに気づき、頑張ることも必要という実感をもつ

リレーを通して幼児が体験できること・育つこと

では、リレーを通した活動の中で、より具体的に、子ども達はどのような体験ができるのか、どんなことが育つのかについて4つ紹介していきたいと思います。

リレーで体験できること・育つこと その1:自分がチームに貢献できている実感を持つ

走ることが得意な子、苦手な子がいるのは当たり前ですよね。

その中でも走ることが得意な子は、相手チームと大きな差があった際、『相手チームとの差を縮めることができた!』となれば確実に自分の役立ち感を感じられます。

走る子が苦手な子も、『転んでも諦めず走りきったから次の子にバトンが繋げられた!』とチームにしっかり貢献していることを感じる体験ができます。

リレーで体験できること・育つこと その2:友達の頑張りに目を向け、認め、励ましあう

走っているチームの仲間を応援する気持ちが育ったり、苦手な子に対して『みんなで頑張ろう!』と声をかけ励ましたりする体験ができます。

また、その中で友達の良さや得意なことに気づくこともできます。

リレーで体験できること・育つこと その3:走り方、バランスの取り方など身のこなし方の感覚をつかむ

トラックのコーナーを走ることを繰り返していく中で、直線の時とは違う走り方、身体の傾け方などを体感しながら経験することができます。

リレーで体験できること・育つこと その4:目的に向けて友達と力を合わせていくことで、結果に繋がったという役立ち感や満足感を味わう

リレーは、1人が頑張れば良いわけでなく、チームの1人ひとりが自分の力を全力で出し切らなくてはなりません。

『1人ひとりが一生懸命走ったから、みんなが頑張ったから勝てたんだ!』という体験ができます。

勝つことの嬉しさや負けた悔しさも勝敗のある遊びを通して知ることができます。

運動会にけたリレーの遊び方の段階(一例)

では、実際に運動会という1つの大きな目標に向けて、リレーの活動をしていくにあたり、どのような段階で遊びを進めていけばよいのでしょうか。

あくまでも1つの参考として、子ども達の様子に焦点をあてたリレーの段階の一例をご紹介します。

1)一斉活動でリレーを行い、リレーの遊び方を知る


子ども達は一斉活動の中で、走る方向、バトンの渡し方、走り終わった後どうするか等基本的なルールを知ります。(もちろん学年で共通のルールにしておきます)

最初は、1人で2周走ろうとする子や、バトンを渡さずに自分の列に戻ろうとする子もいるかもしれませんね。

2)運動会当日のリレーチームを知る

一斉活動で何度かリレーを経験した後、運動会が近づいてくる頃には当日のリレーのチームを教師から発表され、自分のチームのメンバーを知ります。

そこでチームの仲間とチーム名を決めると、チームの結束力・所属意識も高まります!

3)自由遊びの中でもリレーの練習をする

運動会に向けてリレーへの気持ちが盛り上がってくると、自由遊びの中でも、リレーをやりたい子同士が集まって走る練習をしたり、チームごとに時間を決めて集まって練習する子ども達もいます。

複数学級ある幼稚園では、他クラスの友達と混合チームを作って遊んでいることもあります。

4)一斉活動でリレーを行う時には、走順や作戦を子ども達で相談して決める

一斉活動でリレーを行う際には、チームごとに集まってスタートとアンカーを誰がするかから始まり走る順番を決めます。(名前を書いたマグネットを小さなホワイトボードに貼り、順番を決めていくと視覚的にも忘れないのでオススメです!)

また、その日の作戦などもチームごとに決めていきます。

5)運動会当日は、全力で子ども達も練習の成果や1人ひとりの頑張りを発揮!

リレーの活動全体を通して教師が意識するポイント
リレーの活動をしていくにあたり、教師が何を意識しておくと良いのか、子ども達に指導するにあたってどのようなことに気を付けて援助していけばよいのかを理解しておくことが大切です。

ここでは、そのポイントについて5つ紹介していきたいと思います。

教師が意識するポイント その1:子どもが相談しやすい人数のチームを考える

リレーを一斉活動でする最初の複数回は適当にチームを分け、色々なメンバーでチームを組んで走っている様子をよく観察します。

教師は個々の走る力をある程度把握することができると思いますので、チームの力が均等になるようチーム分けをします。(チーム分けの参考になるようにかけっこ遊びと称して50mのタイムをこっそり測った年もあります)

その際、チームの人数の目安としては7~8人くらいがおすすめです。

人数が少なすぎてもリレーのゲーム展開として楽しめませんし、人数が多すぎても走順や作戦などの話しあいが進めにくくなってしまうからです。

リレーの活動の中でも、リレーをする前の『相談』の経験が重要ですので、相談しやすい人数を考えましょう。

教師が意識するポイント その2:ゼッケンを用意し、順番が分かりやすいようにする

リレーの走順を決めて走る際には、ゼッケンがあるとオススメです。


相談したことを中には忘れてしまい、自分が何番目に走るか分からなくなってしまう子もいます。

ゼッケンがあると、子ども自身も、チームの中のメンバーも、ジャッジする教師もみんなが分かりやすくなりますから、用意しておくとよいでしょう。

管理の仕方としては、牛乳パックを半分に切ったものをホチキスでとめ、牛乳パックに番号をつけておきます。

そこに同じ番号のゼッケンをしまっていくようにすると持ち運びもしやすく、番号管理もしやすくオススメです!

教師が意識するポイント その3:自由遊びの中でも子ども達が遊べる環境づくりをする

自由遊びの中で、子ども達が自らリレーを楽しむことができるような環境づくりが大切です。

遊びに必要なバトン、たすき、ゴールテープなどを子ども達が自分達で出して使えるような位置に用意しておきましょう。

また、リレーがしたくなるようにあらかじめトラックにラインやスタートボックスなども自由遊びの前に描いておけるとよいですね!

教師が意識するポイント その4:運動会までに1度は『1位になれた!』という機会をつくる

運動会までに1度は「1位になれた!!」という達成感、満足感、喜びを味わう経験を全員ができるように意識しておきましょう。

子ども達は勝てたことの嬉しさの経験・成功体験があることで、「次ももっと頑張りたい!」「また勝ちたい!」という気持ちに繋がります。

教師が意識するポイント その5:ねらいに即した言葉がけをする

その日の一斉活動や保育の中で、教師は必ず『ねらい』を持っていると思います。

例えば、「まだ子ども達のバトンパスがスムーズではないな・・・」という実態があるとすれば、一斉活動の振り返りの時間の中で「今日のリレーどんなところがうまくいかなかったかな?バトン渡すところはどうだった?」などと考えるきっかけを子ども達に与えるような言葉がけが必要です。

一斉活動で振り返る視点としては、走り方のコツ、バトンの渡し方等、スタートの仕方、1人ひとりが一生けん命走ること、転んでもすぐに立って次の友達のバトンを繋げようとすること…沢山ありますが、その時その時の子ども達の姿から目指す子どもの姿に近づくような教師の言葉がけを意識することが大切です。

勝ち負けだけではなく、全力を出して、自分の責任を果たせたという実感とその快感が得られるような言葉がけも意識していきましょう。

まとめ

今回は、年長児のリレーのねらい、リレーを通して体験できること・育つこと、教師が意識するポイントについて紹介してきました。

「年長になったからリレーをすればよいのでしょ!」のではなく、何のために年長児でリレーの活動をするかの意味について、教師が理解しているのとしていないのとでは、子ども達の育ちにも大きな差が出てきます。

子ども達の育ちに意味のある活動になるよう、ぜひ活動のポイントをしっかりとおさえて、保育にあたっていってもらえると嬉しいです。

本記事は、2023年11月6日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研チーム Maruです。主に公務員や行政関係のニュース記事をお届けします。

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