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【海外の保育事情】韓国の保育園事情と保育施設「オリニチプ」について

【海外の保育事情シリーズ、今回は、韓国の保育事情です。】
韓国は日本よりも出生率が低く、日本と同じように少子化問題は国を挙げて解決すべき課題として扱われています。同じアジアの国であるだけに、韓国の保育事情や保育施設は日本とよく似ていますが、考え方の違いが色濃く表れている部分もあります。

2018年02月17日更新

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目次
韓国では、母親だけが保育者ではない
韓国の保育施設「オリニチプ」制度について
韓国の保育に関する金銭的支援
まとめ
韓国の保育事情と保育施設「オリニチプ」(子供の家)について

韓国では、母親だけが保育者ではない

女性の社会進出が目覚しい現代においても、日本ではまだまだ「子供は母親が育てるもの」という考えがスタンダードのように思われますが、いかがでしょうか。

韓国では、母親の代わりに乳幼児の面倒を見る祖父母が今でもたくさんいます。実家が遠いためとても祖父母世代にはお願いできそうにない家庭でも、祖父母が交代で家に泊まって育児をしたり、平日は子供を祖父母の家に預けっぱなしで週末だけ両親が会いに行く、または家に連れ帰って一緒に過ごすという形を取っていることもあります。日本人としては恐らく、「実家に預けっぱなし?信じられない、ありえない!」というのが正直なところでしょう。

私も上の子が生まれた時、歩いて20分ほどのところに住んでいる義母から「平日はうちに預けて、週末だけ連れて帰ってもいいよ」と言われてびっくり仰天しました。たった20分しか離れていない義母の家に月曜から金曜までずっと預け、その間は子供の顔が見れないなんてとんでもない!と思いました。

幸い、私の場合は主人が「それはダメ。子供は毎日、親と一緒に寝る」という考えだったので平日の預けっぱなしは免れ、満2歳になるまで毎日通いで義母に預けていました。義母も大変だったと思いますが、本人が自ら申し出てくれたため、ありがたくお願いしました。もちろん、毎月お礼としていくらか現金を渡しながら…。

未だに韓国での一般的な考え方は「子供は皆で育てる」というものです。祖父母に頼れない共働きの家庭では、個人的にベビーシッターを雇って朝から晩まで自宅で面倒を見てもらうこともよくあります。マンションの1階ロビーにベビーシッターの求人案内が貼ってあることも、珍しくありません。

では、韓国には保育園が無いのでしょうか?

いいえ、もちろんあります。むしろ、町のあちこちや団地の中に保育園の看板が見られ、日本よりも多い印象を受けるくらいです。私のように義母に預けたり、ベビーシッターを雇うことなく、出産休暇を終えてすぐに子供を保育園に預ける人もいます。

韓国の保育施設「オリニチプ」制度について

韓国では日本で言うところの保育園を「オリニチプ」と言います。オリニは子供、チプは家、つまり「子供の家」というわけで、公立のものと私立のものがあります。やはり、公立のほうが施設などの面において人気が高いです。但し、私立の数が圧倒的に多く、乳児専用のオリニチプもあるため、日本のようにどこにも入れない待機児童の問題は今のところ聞きません。

このオリニチプ、日本の保育園とは違って、どちらかというと幼稚園に近いかもしれません。と言うのは、 選択ではあるものの、満2歳児からは別料金を支払って様々な教育プログラムを受けることができるようになっているのです。

例えばブロック遊びも、ブロック専門の先生がオリニチプ来て、ちょっと特別なブロック遊び(創意力を伸ばす目的)をするといった具合です。ブロックのほか、体育やお絵描きも専門の先生と一緒に行うプログラムがあります。

もちろん、うちの子にはそんな特別なプログラムは必要ないわという場合は、担任の先生(保育士)と普通に遊んだりお絵描きをしたりするわけですが、よその子たちが特別なプログラムをやっている中で、うちの子だけ何もやらないというのはなかなか難しいところですね。

ちなみに韓国は、日本のように親の収入によって保育料が決まるといったシステムではありません。また、韓国のオリニチプは日本の保育園の前提である「保育を必要とする子供を預ける施設」とは異なり、母親が専業主婦の場合でも(共働きでなくても)空きさえあれば何の問題もなく入所できます。

よって、母親がスーパーの帰りに買い物袋を提げて迎えに行こうが、スポーツジムで運動した後の格好で迎えに行こうが、保育士さんから嫌味を言われるなどといったことは一切ありません。

但し、オリニチプのある場所やそのオリニチプの雰囲気によっては、本当に共働きで夕方6時7時まで子供を見てもらう必要のある家庭は少々肩身の狭い思いをすることもあります。母親が専業主婦の家が多いオリニチプの場合は、お昼寝が終わり、午後の活動を少しして自由遊びの時間になる午後3時か4時頃にお迎えがあり、おおかたの子供たちは帰ってしまうので、夕方まで残る子供はほとんどいないというのです。

私の同僚も、子供をオリニチプに預けてからしばらくは、たった一人で夜の7時まで残っている我が子を可哀想に思っていたようです。でも結局はオリニチプや担当の保育士さんに対して申し訳ない気持ちが勝ち、お手伝いのおばさんを雇って子供を午後4時に迎えに行ってもらい、そのまま自宅でおばさんに面倒を見てもらうことにしました。

私が子供2人を預けていたオリニチプではそのようなことはなかったのでラッキーだったと言えるでしょう。と言いますか、私が当時住んでいた地域は共働き世帯が多かったので、その地域のオリニチプはみんな、夕方ギリギリの時間まで子供を見てくれていたと認識しています。

このように、オリニチプによっては少し融通が利かない部分がありもしますが、日本のように毎朝熱を測ったり、風邪の時に投薬を断られたりということはないので、預ける側にとっては日本よりもかなり楽ではないかと思っています。

韓国の保育に関する金銭的支援

日本には現在、中学生以下の子供がもらえる子ども手当がありますが、韓国では満5歳以下の子供を対象とした手当があります。

一つは保育手当です。これは、オリニチプに通わせることなく家庭で子供を見る場合にもらえる手当で、子供の年齢によって異なりますが1ヶ月に1~2万円です。

もう一つは保育料支援金です。こちらはオリニチプに通う子供がもらえる手当で、年齢によって2万円強~4万円強と、少し開きがあります。

韓国のオリニチプの保育料は親の収入とは関係なく、年齢によって一律いくらと決まっているので、保育料支援金をもらえば通常の保育料(給食代込み)は大体カバーできます。従って、送迎バスを利用したり特別プログラムを受ける場合でなければ、オリニチプに払うお金は無いと言えます。しかし実際には、何ヶ月かに一度行く遠足や人形劇観覧の費用、そしてオリニチプ指定の体操着の購入などの実費がいろいろ掛かるので、全くゼロということはありません。

韓国では毎年のように保育に関する金銭的支援の内容が変わります。よって、私が子供たちをオリニチプに預けていた数年前と今では制度が異なります。

例えば、私はこちらで韓国人男性と結婚、いわゆる国際結婚をしたわけですが、国際結婚の家庭は韓国では「多文化家庭」と呼ばれ、保育料以外でも様々な面で恩恵を受けられます。保育料に関して言えば、一般家庭には支援金が無かった数年前に、多文化家庭ではオリニチプの保育料の50%に近い支援金をもらっていました。多文化家庭といっても、私は韓国よりも先進国の人間で、しかもフルタイムで働いていたため経済的に苦しいこともなかったのですが、取り敢えずもらえるものはもらっておこうと支援金を申請したことを覚えています。

なお、参考までに申し上げますと、保育に関する特別な恩恵を受けられるのは、多文化家庭のほかにも親が障がい者であったり所得水準が低い家庭などでした。

しかし現在は、一般的な韓国人家庭も多文化家庭を含むその他の家庭も変わらない金額の支援を受けられるようになり、オリニチプに通わせない家庭は保育手当がもらえるなど、制度はずいぶん変わっています。

まとめ

私は日本で育児をしたことがないので日本の保育事情については詳しくありません。しかし、友人やネットでの話を聞くと、日本での育児は大変だな…と感じます。

韓国も、上記の内容だけを見たところでは、どうして少子化が進むのかと多くの人が疑問を持ちそうですが、保育料の支援や充実したオリニチプだけでは解決できない問題が、根底にあるものと思われます。

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