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アメリカ事情2017年・2018年 - トランプ大統領就任1年経過のアメリカをみる

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日本と仲が良いアメリカですが、アメリカ国内で日々どのようなニュースが取り上げられているかは、日本にいる限りあまり分からないことだと思います。さらに、それらのニュースがどのような視点で報じられているかは様々です。

今回はアメリカ在住者の目線で、近頃はアメリカでどのようなニュースが話題になっているか、そしてそれらから浮き彫りになるアメリカの様子をご紹介したいと思います。

目次

2017年1月 トランプ大統領就任1年経過

2017年1月、波乱の状況下でトランプは第45代の大統領に就任しました。大統領選の公約に掲げたメキシコとの国境に壁を建設することや、オバマケアなどの弱者救済措置を中止することなど、平穏な日常をぶち壊しにすると多くのアメリカ人は戦々恐々としていました。

2018年1月、トランプが大統領に就任してから1年経過しましたが、目に見えて実感できたことは「平均株価上昇」、「失業率低下」、「パリ協定からの離脱表明」などだけで、なかなか前に進まないメキシコの不法移民問題や、貿易赤字問題などにしびれを切らしている人も多いのが実情です。

このような成果状況のなかで、アメリカ国内に定着している空気は「懐疑的」の一言で言い表せると思います。

1万9千ドル程度だった平均株価が2万6千ドルになったことや、4.8%だった失業率が3%後半にまで改善したことなどが示すように、トランプ就任後の経済指標改善は目を見張るものがあり、トランプ自身もツイッターで連日主張し続けているように好調と言えるでしょう。

アメリカ国内では株価や失業率の改善は歓迎されているものの、同時に懐疑的な意見も非常に多いことは付け加えておく必要があります。それを象徴するように、アメリカのダウ平均株価は、頻繁に「急落」することがあるのです。

2018年2月上旬には、ニューヨーク市場で記録的な下げ幅となる下落を記録し、翌日には下落した半分まで水準を回復しました。たった2日間で記録的な乱高下を繰り返す株式市場に、アメリカ国民は懐疑的にならざるを得ないのが本音なのです。

そもそも、アメリカ国民が懐疑的になる背景こそが、トランプ大統領の政策にあります。一部の企業や、一部の投資家達が「強権なトランプなら何かやってくれるだろう」と、根拠がない期待を込めて投資を繰り返している結果、株価が乱高下するかたちで表面化しているのです。

トランプ大統領が思い切った政策を取るであろうと「賭けた」人が多いから、アメリカ経済は一時的に好調になっているのです。これを「トランプラリー」と呼んでいます。

アメリカでは、このトランプラリーが一時的なのか、継続的なのか誰も信じられないため常に「懐疑的」な雰囲気に包まれています。


トランプ大統領は、懐疑的な視点で報道をするメディアをフェイクニュースなどと表現し、少しでもアメリカ国民からこの雰囲気を払拭しようとしています。

北朝鮮問題

アメリカではどのメディアも連日のように北朝鮮問題が報じています。報道されるという意味では、日本も同じだと思いますが、違う点としては実際に戦争が起こるという「危機感」ではないでしょうか。

アメリカは日本と違っていつでも戦争を起こす可能性があります。これまで正義という名目で武力行使をしてきた経緯があることから、北朝鮮に対しても攻撃を仕掛けるという緊張感があります。

戦争をしない日本では、北朝鮮との戦争は対岸の火事といったところでしょうが、アメリカではいつ戦争になってもおかしくない状況です。さらに、核戦争になる可能性も高いため、北朝鮮問題は日本よりも緊迫したものとして報じられています。

少しでもアメリカ国内の緊張した状況を緩和しようと、北朝鮮との繋がりがある中国との外交の様子や、ロシアの介入の可能性、日本の役割なども伝えられています。アメリカにとって北朝鮮問題は、同盟国との連携で解決できれば良いものの、戦争が始まる直前といった状況で報道されています。

相次ぐマリファナ解禁

日本でも報道されているように2018年1月からカリフォルニア州はマリファナの嗜好品としての利用を解禁しました。さらに、バーモント州でもマリファナの合法化が成立し、2018年7月から解禁される予定です。

ドラッグ問題が日常的なアメリカで、マリファナの解禁は非常に身近なニュースのため関心の高さが伺えます。なかでもアメリカで最も人口が多い州であるカリフォルニア州がマリファナを解禁したことは、アメリカでも大きな話題になり、税の増収や犯罪の減少に繋がる有効な手として注目を浴びています。

解禁を喜ぶアメリカ国民がいる反面、薬物を禁止している連邦法と、合法化している州法の矛盾や、交通事故や子供への悪影響など日常生活で危険が増えるという指摘もあります。

銃規制と同様で、権利や個人の自由を尊重するあまり、取り返しがつかない事態に突き進んでいると報じるメディアもあります。

ナルシストの増加

いまアメリカで密かに話題になっているのがナルシストです。日本で言うところの一般的なナルシストとは違い、アメリカで話題のナルシストの意味は「政治的または社会性において自己への心理的な関心が集中した人」を指しています。

具体的には「白人至上主義者」などが該当します。他にも社会的な場面において、協調できない人もナルシストに含まれます。アメリカでは白人の数が減少傾向で、ヒスパニック系や黒人の割合が増えてきており、これを嫌う白人種の人たちがナルシストになりつつあるのです。

ナルシストと呼ばれる人たちは、他人の意見を聞くことはなく、あくまでも自己の主張を優先し、それこそが正しいと思い込んでいるため、社会との調和や協調性が取れない厄介な存在でもあるのです。アメリカではこのような人が増えていると報じられています。

別の事例では、一部のメディアがセクハラ被害に遭った女性たちが起こした「#Me Too Movement」もその兆候があるとしています。訴えられた男性側にはいっさいの弁明の余地はなく、男性側はセクハラの事実有無に関係なく社会から放出されてしまっています。

この一連の行動に対して意見したフランス人女優までも攻撃をされる事態になり、加熱する一方のこの行動は、ナルシストの典型として報じられています。

もともと、個人の自由や権利を主張することが多いアメリカではナルシストの傾向が強いのですが、近年では政治的な問題や、社会的な場面においてまでナルシストが増えているため潜在的な問題になっています。


自然災害が多かった2017年

2017年、実はアメリカでは自然災害が多発し、その被害はおおよそ3,060億ドル(約34兆円)とされ過去最大のものになりました。主な災害としては、ハリケーン、山火事などが該当します。

なかでも、ハリケーンの被害は凄まじく、ハービー、マリアと名付けられた2つのハリケーンだけで24兆円ほどの経済的損失を出しました。他にもフロリダ州を直撃した「イルマ」も5兆円以上の損害を出し、ハリケーンによる被害は過去最大になりました。

日系企業も多く進出しているテキサス州を襲ったハービーは、アメリカの製油所にも被害を与え、アメリカ国内のガソリン代が高騰する事態も引き起こしました。ハリケーンが直撃したエリアだけでなく、アメリカ全体に影響を及ぼした災害だったのです。

ハリケーンに加えて、カリフォルニア州では山火事が頻発し、40人以上が犠牲になり、9,000棟ほどの家が燃え、最終的には東京23区の面積以上が消失しました。数十万人が行き場を失うという史上まれに見る非常事態だったのです。

2017年10月 アメリカ史上最悪の銃乱射事件

記憶に新しい人も多いと思いますが、2017年10月にラスベガスで58人が犠牲になった無差別銃乱射事件が発生しました。ラスベガスは日本人にとっても有名な観光地であるため、衝撃を受けた人も多いことでしょう。

アメリカでも史上最悪という表現で連日報道されていましたが、事件に関連する報道は3ヶ月後には完全になくなり、一時的に話題にのぼった銃規制の話もなくなりました。

日本では報道されていないだけで、アメリカでは連日のように銃を使った犯罪や殺人が起きています。皮肉なことに、2018年2月には銃乱射が起きたラスベガスで寝ているホームレスの人たちが、走っている車から銃撃され2名が亡くなるという事件も起きています。

アメリカ史上最悪の銃乱射事件が起きた後でも銃規制には踏み切らないアメリカは、これから先も銃による危険性と隣り合わせで生活しなければならず、メディアによる銃規制への行動も封じられてしまう風潮があります。

まとめ - 進む「アメリカ国民のモラル減退」

ご紹介したようにアメリカでは、強権なトランプ大統領、マリファナ解禁、進まない銃規制、そしてナルシストの増加など、国民の生活に直結することが中心に報じられています。

これらのニュースから浮き彫りになることは「アメリカ国民のモラル減退」であると考えられます。元来、正義感が強くプライドが高いアメリカ人ですが、報道されるニュースに鑑みると、少しずつ国民性が変化していることが見えてきます。

同時に、結びつきが強い日本もアメリカの二の舞にならないように注意する必要があるのかもしれません。

本記事は、2018年6月7日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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