「健康管理室」の「企業保健師」に関する仕事内容・給料レポート

企業の健康管理室で働く、キャリア2年の「企業保健師」によるキャリアレポートです。

今回は、その「企業保健師」の仕事内容や一日のスケジュール、年収(給料・ボーナス)や残業状況などについてインタビューしたものを編集して掲載します。


はじめに

企業の健康管理室で働く、キャリア2年の「企業保健師」によるキャリアレポートです。

「健康管理室で働く企業保健師」の仕事内容について

企業保健師の主な仕事内容は、健診後の特定保健指導と従業員のメンタルヘルスケアになります。

健診後の特定保健指導は、生活習慣病のリスクの高い対象者さんをピックアップし、個人面談を行います。健診の検査数値の説明、現在の状態が続いた場合の発症のリスク、原因と生活習慣の見直しを提案し、本人と目標を立てて3ヶ月(動機づけ支援)や6ヶ月(積極的支援)の長期支援を行っていきます。

もちろん現段階で検査値の危険水域に入っている対象者さんには、受診勧奨を行います。本人の勤務状況によって通院可能な具体的な病院やクリニックを探し受診を促します。受診しやすいように健診結果のコピーや、保健師が作成した受診理由のお手紙などを対象者さんに渡し、医療機関への橋渡しを行います。

メンタルヘルスケアに関しては、本人もしくは所属部署の上司より精神的な問題を抱えた対象者に対して個人面談を行うものです。職場の人間関係や過労、家庭状況など複雑に絡み鬱やストレスを抱えた対象者さんに対しカウンセリングを行い、所属部署の上司等との職場環境の改善、部署異動の提案、医療機関への受診勧奨を行います。

「健康管理室で働く企業保健師」の1日の仕事の流れ

日勤帯のみの勤務体制でした。

9時00分 出社
9時05分 朝礼
9時15分 業務開始 メールチェック 面談調整
12時00分 お昼休憩(60分) ※ただしお昼休憩に面談希望の場合は面談優先
13時00分 業務再開
16時30分 上司への業務報告
17時00分 終業

「健康管理室で働く企業保健師」の給料・残業・有給休暇について

私の場合ですが、「企業保健師」の月給は24万円(残業代別)、ボーナスは40万円で、資格手当が1万円、また、年収は約380万円でした。

基本的に残業は無く定時出勤・定時退社でした。有給休暇も取りやすく、また、リフレッシュ休暇やバースデー休暇など独自の休暇も設けてありました。

この仕事で、働いているときに困ったこと

特定保健指導などの個人面談は、対象者さんの業務に支障が生じないように可能な限り本人の都合の良い時に合わせて行います。そのため、急な出張や打ち合わせが入った際は日程の変更を行い、なかなか面談ができなかったりしました。

そのため対面面談だけでなく電話面談も取り入れていましたが、電話面談は対象者さんからあまり評価が良くなく、インターネットを利用したビデオ電話などでの面談ができればと思っていました。


また、多忙な方が多くこちらからのメールの返信が無いことも多く、できれば既読されているのかどうかがLINEのように分かる専用のツールなどを導入できればと思いました。

また、メンタルヘルスケアに関しては、対象者さんとの信頼関係を構築しなければ問題解決に繋がらないため、自分自身の有給休暇と面談が重なった際は、同僚に面談を依頼するわけにはいかないので自身の休みを調整する必要があり、少し大変に感じました。

この仕事や職場でよかったこと

私の場合ですが、保健師経験が無かったにも関わらず希少な産業保健師として勤務でき、経験を積むことができました。

日勤帯のみでの勤務だったので、自分自身の生活リズムも整い、非常に働きやすい職場でした。

また、従業員のメンタルヘルスケアに力を入れていたので、カウンセリング力向上のための「産業カウンセラー養成講座」の受講の費用補助を受けることができました。通常24万円の受講費用に対して、会社から6割の補助が出ました。個人的に以前から取得したかった資格だったので半分以上補助が出たことは非常にありがたかったです。

また、関連するメンタルヘルケアの講座や学会などへの平日参加も積極的に認めて頂けたので、知識・技術力向上に繋がりました。

「健康管理室で働く企業保健師」の仕事エピソード

メンタルヘルスケアの不調を訴える対象者さんに対して、産業カウンセラーの講座で学んだカウンセリング技術を用いてアプローチした結果、病院受診することなく鬱症状が改善したことがあります。

関係構築に時間をかけ、ゆっくり話を傾聴し、本人が訴えている仕事のストレスとは別に生い立ちに関する精神的な問題が本質だと気づき、本人と時間をかけてその点に関して向き合い意識改革ができました。

また、特定保健指導での面談後に受診勧奨を行った方で、病院で狭心症と診断された方がいました。幸い早期発見だったため心臓カテーテルでの治療が可能で大事に至らずに済みました。ご本人とご家族からも感謝され、早期発見早期治療に繋ぐことができ保健師としての役割を果たせて良かったと思いました。

まとめ ー「企業保健師」を目指す方へメッセージ

「企業保健師」は看護職のなかでも日勤だけでデスクワークが主なため身体的な負担もなく、家庭との両立もしやすい職種です。

予防医療に興味のある方はやりがいを持って働くことができます。

本記事は、2018年7月11日時点調査または公開された情報です。
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