はじめに - ウェブサイト・本から学べることは膨大
どんな仕事でも、人から直接学ぶことだけが知識になるわけではありません。自分で調べて辿り着いたウェブサイトや本には、仕事に役立つ知識が溢れています。
それは保健室の先生(養護教諭)も同じです。
本記事では、小学校と高校で保健室の先生(養護教諭)として働いていた私が、特に役に立った、お勧めしたいと思う教材やウェブサイト、そして企業のプログラム等について、紹介します。
保健室の先生(養護教諭)の仕事に役立つ月刊誌 2つ
まずは、養護教諭の仕事に役立っていた月刊誌を2冊紹介します。
月刊誌その1:「健」
「健」は保健室の先生(養護教諭)のための専門誌で、出版社は「株式会社日本学校保健研修社」です。
「健」は、幼稚園から高校の保健室で役立つ時事情報や、ほけんだよりにそのまま使えるイラストや記事などの素材が掲載されています。
数年前からオンラインでダウンローできるようになり、より便利になりました。
▼参考URL:https://www.school-health.jp/
月刊誌その2:「健康教室」
「健康教室」は「健」と同じく、保健室の先生(養護教諭)のための専門誌です。出版社は「東山書房」です。
「健」に比べて文字数が多く、月刊誌以外にも特集号や臨時号も出版されています。
小学校では学校の公費で「健」もしくは「健康教室」を購入し、自費でもう一方を購入している先生が多いです。
▼参考URL:https://www.higashiyama.co.jp/products/list.php?category_id=1
保健室の先生(養護教諭)の仕事に役立つウェブサイト:学校保健ポータルサイト
「学校保健ポータルサイト」は、養護教諭を応援するポータルサイトです。
専門家の意見や様々な疾病に対する情報が掲載されており、校種を問わず保健室に役立つ情報のサイトです。
研修会の案内もあり、「一歩先へ」の勉強になります。
▼参考URL:https://www.gakkohoken.jp/
保健室の先生(養護教諭)の仕事に役立つ掲示物:「少年写真新聞社」
「少年写真新聞社」は出版社ですが、学校のいたるところに掲示されている掲示物は、「少年写真新聞社」が発行したものが多いです。保健の時事ニュースも多く掲載されており、実際の写真のため子どもたちの目を引きます。
その掲示物が定期的に本になり、説明や医師などの見解も書かれているため勉強にもなります。
▼参考URL:https://www.schoolpress.co.jp/
保健室の先生(養護教諭)の仕事に役立つ教材・プログラム:性教育・初経指導
性教育・初経指導で使う教材には、多くの保健室の先生(養護教諭)が気を使っていると思います。
性教育・初経指導に関する多くの出版物は、わかりやすいイラストや子どもたちの好みのタッチで「性」について説明してくれています。色々な企業がサンプルを無料で提供してくれるので、私たち養護教諭は、その中から吟味して使用するものを決めます。
私が特に良かったと思うものを紹介します。
性教育・初経指導の教材その1:「からだのノート おとなになるということ」
「からだのノート おとなになるということ」 は「ロリエ 花王株式会社」から出版されています。
ロリエは1978年の発売当初より、「初経教育」という視点から、初経を迎える子どもと、その保護者、小学校に対して様々なサポート活動をしています。
また、男の子の性についても取り上げています。
▼参考URL:https://www.kao.co.jp/laurier/karada
性教育・初経指導の教材その2:「初潮(初経)について教える学校の先生へ」
「初潮(初経)について教える学校の先生へ」は、「ソフィ ユニチャーム」が発行しています。
思春期の子どもたちに対し、これから起きるこころやからだの変化、初経を迎え月経が毎月くること、そのしくみを詳しく書いてくれています。
▼参考URL:https://jp.sofygirls.com/ja/teacher
性教育・初経指導の教材その3:「未来はカラダからだ!」
「未来はカラダからだ!」は、「オムロン」が発行しています。
思春期の中学生・高校生が、「からだの成長」や「お互いを尊重し合う大切さ」を学べる教材です。男女両方の生徒に対応しています。
▼参考URL:http://kisotaion.org/kyozai/index.html
性教育・初経指導のプログラム:「かがやきスクール」
「かがやきスクール」は、「バイエル薬品株式会社」が実施している授業プログラムです。
このプログラムは、女性自身が望む人生設計やキャリアプランを実現するため、女性特有の病気やライフステージの変化について、次代を担う高校生に正しく理解してもらうことを目的としています。
▼参考URL:https://www.kagayaki-school.jp/
保健室の先生(養護教諭)の仕事に役立つ教材・プログラム:下着指導
次は、下着指導を行う際に役立った教材、プログラムを紹介します。
下着指導の教材:「下着指導キット」
「下着指導キット」は、教育家庭新聞社が出している下着指導に関するキットです。
思春期の女子の体の変化に応じた下着の選び方に関する冊子、胸の成長段階に応じた3種類のブラジャー(タンクトップ、ファーストブラ、ノンワイヤーブラ)、胸囲測定用のメジャーが付いています。
下着指導のプログラム:「ツボミスクール」
「ツボミスクール」は、小4~中3の女の子、保護者、養護教諭などを対象に、ワコールが行っている下着教室です。
科学的なデータを基に、成長期の女の子の大切なひと時をサポートします。
ツボミスクールには、出前教室、教材提供(お申し込みは養護教諭限定)、養護教諭コースがあります。開催費用はかかりません。
▼参考URL:https://www.wacoal.jp/demae-school/course/tsubomi/
下着指導のウェブサイト:「女の子のための肌着教室」
「女の子のための肌着教室」は、インナー・肌着・下着通販のGUNZEが運営しているウェブサイトです。
友だちと違う自分に戸惑ったり、男の子の目が気になったりと、体が急に成長し始める小中学生の女の子たちに向けたサイトであり、「はじめてのブラジャー選び」など、下着選びの疑問についてアドバイスしてくれます。
▼参考URL:https://www.gunze.jp/store/campaign/underwear-school-kids
保健室の先生(養護教諭)の仕事に役立つ教材・プログラム:健康相談活動
保健室の先生(養護教諭)が行う健康相談活動は、子どもたちの心に寄り添う「傾聴」が必要です。そしてそれは、子どもだけではありません。同僚の教職員や保護者の相談に乗ることもあります。
そんな時にとても参考になった本3冊と、その著者について紹介します。
傾聴する心構えだけでなく、養護教諭という「担任」でもない「臨床心理士」でもない、もちろん子どもの保護者でもない自分自身の職に不安や疑問を抱くこともあります。そんな時にも自分自身を慰めて「ありのままの自分」に異議を持たしてくれる言葉がつづられています。
以下がその本です。
「甘えてもいいんだよ」
「新版・子どもの悩みに寄り添うカウンセリング」
「教師・家族の「聴く力」が子どもを育てる」
著者は、子ども家庭フォーラム代表で心理カウンセラーの富田富士也さんです。富田富士也さんは、教育・心理カウンセラーとしてコミュニケーション不全に悩む青少年への相談活動を通じ、絡み合いの大切さを伝えています。
引きこもりつづける子どもや若者、その親や家族の存在にいち早く光をあて、「コミュニケーションワーク」の学びを全国的に広めています。千葉明徳短大幼児教育科客員教授、千葉大学教育学部非常勤講師等を経て現職となりました。
まとめ - 編集部より
以上、「保健室の先生(養護教諭)の仕事に役立つ教材・ウェブサイト等の紹介」でした。
今回は、ベテランの保健室の先生に、仕事に役立つ教材・ウェブサイト・プログラム等を多岐にわたって紹介していただきました。
現役の方も、これから保健室の先生を目指す方も、ぜひこの記事をご参考下さい。
コメント
コメント一覧 (1件)
保健室の先生が、生理用品や下着、性教育までしているのは知りませんでした。
生徒の怪我の治療だけかと思っていました。大変な仕事なのだと感じました。
知らない事があり、姪っ子に保健室の事を聞いてみようと思いました。