公立中学校(静岡県)の「家庭科の先生」の仕事内容・給料レポート

現役もしくは元・公務員へのキャリア・アンケートです。

今回は、公立中学校(静岡県)の「家庭科の先生」(女性)に回答いただきました。

仕事内容、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてアンケートしたものを編集して掲載しています。


はじめに

公立中学校(静岡県)の「家庭科の先生」(女性)によるキャリアレポートです。

レポート者のプロフィール

公務員としての職業・勤務先:中学校の先生(家庭科) / 静岡県にある公立中学校
性別:女性
雇用体系:常勤
所有資格:自動車運転免許、中学校教諭一種免許(家庭)、高等学校一種免許(家庭)、実用技能英語検定2級

「中学校の先生」を目指した理由

子どもと関わりながら自分自身がいろいろなことを考え、成長できる仕事だと思ったからです。また若い子どもは想像力が豊かでエネルギーにあふれているので、生きる力を与えてくれるからです。

「中学校の先生(家庭科)」の仕事内容について

主な仕事は、公立中学校で家庭科の授業を行うことです。よりよい授業をするために教材研究をしたり、出張として他校の家庭科の先生の授業を見たりして研修を行います。必要に応じて授業で使うワークシートを作ります。ワークシートが提出された後はその点検をします。

家庭科の授業には被服製作や調理実習もありますので、生徒が使う材料の準備や道具の点検を行います。生徒が作品を提出した後に製作した作品の点検をします。調理実習の技能や意欲を授業内で観察します。テスト問題を作成し、生徒が実施した後に採点します。ワークシート、作品、実習、テスト、日ごろの授業態度をもとに学期末に成績をつけます。

それ以外の仕事は、学級担任を持つ場合はホームルームや給食でクラス指導をします。ほとんどの学校でその日1日の反省を記入するノートを朝提出するので、授業の空き時間を利用してコメントします。ホームルームでは連絡事項とともにそのクラスの課題となっていることや、新聞やニュースの話題など生徒の心の成長の役に立つ話をします。欠席した生徒には明日の予定などを連絡します。

学級担任を持たない場合は、生徒の登校する時間に校門や下駄箱に立ち、挨拶や声掛けをしながら登校指導をします。 部活動の顧問を持った場合は、放課後部活指導をします。休日も練習や大会に引率し、生徒指導にあたります。

「中学校の先生(家庭科)」の1日の仕事の流れ

6時30分:自宅出発、自動車で通勤
7時00分:到着→授業で使う教材のチェック、担任しているクラスの教室整備
7時30分:朝練習指導
7時50分:生徒登校指導、挨拶をしながら生徒に声掛け、制服・髪型の乱れはその場で直させる
8時10分:職員会議
8時20分:朝のホームルーム、前日1日の生活の反省を書いたノートを提出、連絡事項を伝える
8時40分〜12時30分:午前中授業(50分×4時間)、空いている場合は授業準備など
12時30分〜13時:給食
13時〜13時30分:給食片付け、昼休み
13時30分〜15時20分:午後の授業(50分×2時間)
15時20分〜15時50分:掃除、帰りのホームルーム
15時50分〜18時30分:部活指導

「中学校の先生(家庭科)」の給料・残業・有給休暇について

常勤講師は月給18万円、ボーナス80万円(40万円×年2回)で年収296万円でした。部活指導があるのでほぼ毎日3~4時間程度の残業がありますが、残業代は出ません。

常勤講師には有給休暇は半年で10日ほどありますが、授業のあるときはほとんどとれません。長期休みのときにまとめてとる人が多いです。

この仕事で、働いているときに困ったこと

一般企業に比べると残業がすごく多く、残業をするのが当たり前という環境になっているのは違和感がありました。本来なら勤務時間が8:00から16:30ですが、部活が18:30までありますので、その時点で残業を強要されているということになります。


それに対して残業代が支払われないシステムも問題だと感じていました。土日の部活での拘束時間も非常に長く、休日出勤が何日も続くので1か月あたり3~4日しか休めない月もありました。これはかなり精神的にきつかったです。

この仕事や職場でよかったこと

収入が安定していることです。私は常勤講師でしたが、一般企業の新入社員と同じくらいの給料がいただけたので、1人で生活するぶんには何も困ることはありませんでした。(結婚して家族を養うとなると、パートナーが正社員でないとかなり厳しいと思います。)

一般企業なら正社員でないと収入面はかなり厳しく自分1人で生活するのも厳しい状況になるので、その点はとても恵まれていたと思います。正規職員ではないのにボーナスがもらえることもとてもありがたいことだと思います。

「中学校の先生(家庭科)」の仕事エピソード

最後にいた学校では陸上競技部の主顧問をやらせていただき、主に中距離、長距離の指導をしていました。この学校に赴任してきた当時陸上部の生徒はまったく練習を真面目にやらない生徒だったので、練習メニューの組み方、やる気を引き出す声掛けの仕方など大変苦労しました。

しかし、だんだんと生徒たちが成長していき秋の駅伝大会に出場するころには、赴任当初の不真面目な生徒の印象はまったくなくなり、みんなが1つの目標に向かって全力で取り組む姿に変わっていきました。県大会を目標としてあと1歩届きませんでしたが、生徒たちは努力することの大切さを学び充実した目をしていました。この学校には1年しか勤務できずに退職しましたが、その際涙を流し感謝の気持ちを伝えてくれた生徒の姿は今も忘れることができません。

「中学校の先生(家庭科)」の職場恋愛について

職場恋愛、結婚はかなり多いと思います。私が勤務していた学校では、既婚者の半数が教員同士(異なる学校)でした。また自分が勤務していたときに同じ学校でお付き合いしている先生がいて、年度末に結婚しました。同じ学校で勤務して同じ学年を担当したことで、仲を深めていき結婚に至るケースはかなり多いように思います。

それ以外にも学校は異なりますが、部活の大会や教科の研修会などで出会ったというケースもあるようです。職場以外(教員同士以外)での恋愛は学生時代から付き合っていたというケースが多いです。

まとめ ー「中学校の先生」を目指す方へメッセージ

激務ではありますが、残業や部活などは少しずつ改善されつつあります。やりがいもたくさんあります。私は教員採用試験に合格できなかったので、常勤講師のまま退職してしまいましたが、これから目指す人はぜひ正規を目指して頑張ってください。

本記事は、2020年4月26日時点調査または公開された情報です。
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