はじめに
「東京都」にある「私立高校の先生(美術科)」(男性)によるキャリアレポートです。
公務員としての職業・勤務先:高校の先生(美術科) / 東京都にある私立通信制高校
性別:男性
雇用体系:非常勤
所有資格:中学・高校教員免許
「高校の先生」を目指した理由
自分の不登校の経験から、同じような学校に通えない子ども達に、美術を通した自尊心の回復と自己表現の技術を学んで欲しかったからです。
「高校の先生(美術科)」の仕事内容について
美術の授業はデザイン系とファインアート系に大別されます。どちらの場合でも、生徒のためになるテーマを事前に考え準備するところからはじめます。
例えば現在ではすぐに問題をスマートフォンで検索して解答を探そうとする傾向があるので、検索のしようがないテーマを題材に授業を組み立てたりします。季語から生徒自身が連想した語句を元にしたポスター制作や、自身の手のデッサン等です。
テーマが決定したら、授業時間中に完成できるように、時間配分を考えます。何時間目までにどのくらいまで完成させられるか、逆に進みすぎている場合はより丁寧に作業するよう指導するなどします。作業に集中し始めると、後はどちらかというと個別にアドバイスをしながら授業を進めます。
最後に完成した作品について、講評を教師側から行い、優れた作品があれば生徒の同意を得た参考作品として全員の前に提示します。最後に残った時間で片付けをさせ、次の授業に向かわせます。
「高校の先生(美術科)」の1日の仕事の流れ
12時:自宅を出て、電車で通勤する
13時:到着
13時30分:職員会議、その日の生徒の様子や管理職の教師からの要望を受ける。授業の画材の確認
14時:授業開始 生徒にその日の大まかな授業内容、作業の進め方等の説明、画材の配布、黒板への重要事項の板書、出席確認等
15時:進捗を見つつ、生徒へのアドバイスや注意、指導等を行いながら授業を進めていく
16時 : 後半になる程、作業に飽きる生徒が出始めるので、談話等を交えつつ、作業に戻るよう指導する
17時:授業終了20分前から、講評を始め、終了のチャイムまでに画材の片付けが終わるよう指導する
18時:勤務報告書への記入、後片付け、管理職員への終了の報告等
19時:退勤、電車で自宅へ戻る
「高校の先生(美術科)」の給料・残業・有給休暇について
通信制高校非常勤美術教員のため、授業自体が不定期です。時給は授業を行う場合は2000円から2500円程度、試験監督をする場合は時給1000円程度です。
有給等は非常勤のためなく、残業もありません。会場までの交通費は支給されます。
この仕事で、働いているときに困ったこと
通信制高校の芸術科目のため、そもそも授業自体もほとんどなく、学校側としてもそこまで科目を重視していないようで、こちらが希望した画材等は支給されない事が多かったです。
また数時間分全て続けて授業を受ける生徒もいれば、途中までで帰宅する生徒、途中から参加する生徒等がおり、その都度内容の説明をする必要があるため、その間授業が中断させられます。
また当日になるまで、何人の生徒が出席するかが分からない事もある点が気になります。
この仕事や職場でよかったこと
比較的教師の裁量に任されているので、授業の内容や指導方法について注意や要望を受けるようなことは一度もありませんでした。個人的に不登校の生徒への授業ができる環境を望んでいたので、そういう場が与えられていることは恵まれていると思います。
また、非常勤で授業が不定期な事もあり、学校職員や他の教師との不必要な交流や、部活指導等が一切なく、授業終了と同時に帰宅できるため、そうした割り切りができる環境なのは嬉しく思っています。
「高校の先生(美術科)」の仕事エピソード
最初は口を利かなかった生徒が、授業の終了時には完成した作品について喜んでいるのが見られるのは感動します。また優れた作品を黙々と制作している生徒を見ているのも嬉しくなります。
一方授業の内容が高度すぎて、ほとんどの生徒が時間内に完成せず、趣旨も理解できなかった時や、逆に簡単な題材を与えすぎて、大幅に時間が余ってしまう時は失敗したと思います。普段は数える程度しか参加しないのですが、一度教室に入りきらない程の生徒が途中から出席した時は、その都度最初から授業内容の説明をする必要があり、進捗がバラバラで大変でした。
「高校の先生(美術科)」の職場恋愛について
非常勤講師のため、学校内部の事情については全くわかりません。本校が他県にあり、私が住んでいる近隣でスクーリング授業がある場合のみ、先生や職員の方がスクーリング場所に来られるだけなので、臨時の職員室にも数人しか人がいない場合が多いです。
機から見ているだけの印象では、先生、職員の方々との仲はある程度親密なようですが、実際は不明です。また私の方とも事務的な連絡が基本的にはメールでのみ行われているだけです。
まとめ – 「高校の先生」を目指す方へメッセージ
あまり込み入った内容の授業はできないと思いますが、頑張ってください。
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