はじめに
「いじめを受けている」「いじめを目撃した」という相談や報告を、本人が自ら学校や先生に伝えるのは、困難な場合があります。
そこで、いじめ問題の防止・解決のために今注目されているのが、インターネットを使った対応です。
今回は、いじめ問題に悩む児童・生徒が自ら利用できる、「いじめ問題の防止・解決」をテーマにしたWEBサービスを紹介します。
なお、学校の先生向けの学校のいじめ問題対策・サポート「WEBサービス」については、以下の記事をご参考ください。
》【先生向け】学校のいじめ問題対策・サポート「WEBサービス」まとめ7つ
学校の現場で、学校のいじめ問題を対策・解決する方法の一つとして、インターネットを利用して解決するサービスが導入され始めています。 本記事では、学校の現場で働く先生向けに利用活用できる「いじめ問題」の防止・解決を手助けする「WEBサービス7つ」を紹介します。
1)チャイルドライン - 子どものいじめ相談受付サービス
「チャイルドライン」は特定非営利活動法人チャイルドライン支援センターが運営する、電話・インターネットを使ったいじめ相談サービスです。
「チャイルドライン」の詳細
「チャイルドライン」では18歳までの子どもが、いじめ問題に関する相談を行うことができます。研修を受けたボランティアが約2000人在籍しており、子どもからの相談を受け、子どもが抱える問題と向き合います。
「チャイルドライン」では電話の他に、双方向のコミュニケーションができるチャットシステムを使っての相談が可能です。「話し声が聞こえてしまうから電話はかけにくい」など、電話以外のツールでの相談を求めている児童・生徒に対して有効なサービスです。
「チャイルドライン」の特徴
「チャイルドライン」の大きな特徴の一つが、「大人向けページ」と「子ども向けページ」があることです。子ども向けページは、漢字に送り仮名がふってあり、色もカラフルで、大きな文字とイラストを使用したわかりやすい構成にしています。このような工夫によって、年齢の低い児童生徒も利用しやすいサービスを提供しています。
「チャイルドライン」の利用方法
「チャイルドライン」の電話相談を利用する場合は、0120-99-7777に電話をして相談します。電話の受付時間は、毎日16時から21時までです。
「チャイルドライン」の、チャット相談を利用する場合は、公式サイトから「ネットでつながる」ページにアクセスして相談します。チャットでの相談受付時間は、毎日16時から21時までです。
ただし、電話もチャットも18歳までの児童・生徒しか利用できません。
▼参考URL:チャイルドライン|ネットでつながる
https://childline.or.jp/chat
「チャイルドライン」の利用料金
「チャイルドライン」の電話相談、チャット相談は無料です。
「チャイルドライン」のURL
https://childline.or.jp/supporter
https://childline.or.jp/ (子ども向けサイト)
2)いのちの電話 - いじめ相談サービス
「いのちの電話」は、一般社団法人日本いのちの電話連盟が運営するいじめ相談サービスです。
「いのちの電話」の詳細
「いのちの電話」では、いじめ問題の相談やそれによる自殺などの悩みを、電話の他、インターネットを使って行うことができ、研修を受けた相談員が相談に乗ってくれます。
相談期間は6か月に設定されており、利用回数は3回までと、制限があります。
「いのちの電話」の利用方法
「いのちの電話」の、電話相談を利用する場合は、0570-783-556に電話をして相談します。電話の受付時間は、毎日10時から22時までです。
また、「いのちの電話」では、毎月10日のみ、フリーダイヤルを使った無料電話相談を受け付けています。電話番号は0120-783-556で、受付時間は毎月10日、8時から翌日の8時までです。
「いのちの電話」の、ネット相談を利用する場合は、公式サイトで「新規登録」をし、相談内容の登録をします。
▼参考URL:いのちの電話|新規利用者登録
https://www.inochinodenwa.org/entry/
「いのちの電話」の利用料金
「いのちの電話」の電話相談、チャット相談は、無料で利用できます。
「いのちの電話」のURL
https://www.inochinodenwa.org/
3)都道府県警察の少年相談窓口 - メール相談サービス
「都道府県警察の少年相談窓口」は、各都道府県警察が運営する、少年相談窓口サービスです。
「都道府県警察の少年相談窓口」の詳細
「都道府県警察の少年相談窓口」では、いじめの被害に苦しむ児童・生徒や、その保護者が、メールを使って相談することができます。
メールは各都道府県の警察に届き、ケース別に対処されます。必要に応じて、面談などを希望する事も可能です。なお、都道府県によっては、電話相談を推奨しているところもあります。
「都道府県警察の少年相談窓口」の利用方法
お住まいの地方を選び、「電話相談」や「メール相談」を行います。細かな相談方法は各都道府県で異なりますので、詳しくはそれぞれの公式サイトをご参照ください。
▼参考URL:各都道府県警察の少年相談窓口(令和2年4月1日現在)
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/syonen/soudan.html
「都道府県警察の少年相談窓口」の利用料金
「都道府県警察の少年相談窓口」のサービスは、無料で利用できます。
「都道府県警察の少年相談窓口」のURL
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/syonen/soudan.html
4)Filii - データ分析サービス
「Filii」は、エースチャイルド株式会社が運営する、データ分析サービスです。このサービスを使うことによって、いじめの火種を早期発見・対処することができます。
「Filii」の詳細
「Filii」は、子ども同士のSNS上でのやり取りを分析し、いじめ発生の原因となり得る内容をピックアップして保護者と共有することで、いじめ発生のリスクを軽減することができるサービスです。
全ての内容が筒抜けになるわけではなく、問題のある発言のみ保護者と共有することができ、いじめの加害者になることも防止できます。
「Filii」の利用方法
保護者が「Filii」に登録し、子ども自身がデータアクセスへの許可を行うことで、利用できます。
「Filii」の利用料金
「Filii」の利用は有料です。詳細な料金は、現在調査中です。
「Filii」の利用イメージ
「Filii」のURL
まとめ
以上、「【保護者・子ども向け】学校のいじめ問題対策・サポート「WEBサービス」まとめ4つ」でした。
教員をされている方の中には、「クラスで発生しているいじめ問題」についての解決法を模索している方もいらっしゃると思います。もちろん、児童・生徒が先生に相談してくれることが理想かもしれませんが、子どもたちの中には「毎日会う人には言いにくい・話しにくい」「チクったと思われないか不安」等の理由で、学校関係者には相談できないこともあります。
そんなとき、「こんな相談先もあるよ。選択肢はたくさんあるんだよ」と子どもたちに伝えることで、解決の糸口が見つかるかもしれません。
本記事で紹介したサービスは保護者・子ども向けのものですが、教員の方々も含め、ぜひこれらのサービスについて知り、いじめ問題解決に役立ててください。
コメント
コメント一覧 (3件)
子供のいじめ問題を指摘する目的ではなく、対応や防止に視点を持っているところが良かったです。いじめ問題をただ批判するだけなら誰でも出来るが真剣に考えると対応や防止に力を入れた方が良いなと感じました。教員を目指す人にはこういった内容を覚えておいて欲しいです。
深刻化しているイジメ問題。いのちの電話の存在は知っていましたが、他のSNSサービスは知らず、色々な窓口がある事を知りました。知らない人も多いと思うのでもっと広まって欲しいです。
今の時代、学生生活の中「いじめ」問題というのはかなりの確率で悩む子供たちが出てきてしまう状況であると思います。
本来であれば一番現場に近い先生に頼ることが出来ればいいかと思うのですが、昨今のテレビなどの状況によるとそれもあまり期待できないようなので、この様な頼れる環境を整えることは必要だと思います。