どのような行事があるの?
幼稚園や保育園で行う園行事を大きく分けて5つに分類することができます。
行事その1:幼児の成長の節目を祝うもの<儀式的行事>
入園式、卒園式、誕生会など
行事その2:日常の保育活動の成果やまとめになるもの
運動会、作品展、音楽会、生活発表会など
行事その3:園外での活動
遠足、見学、観劇、老人ホーム訪問など
行事その4:健康面や安全管理面から必要なもの
身体測定、健康診断、避難訓練、交通安全指導など
行事その5:保護者を対象としたもの
保育参観、保護者会、個人面談など
行事をするにあたって教師が配慮すること
行事を実施するにあたって、教師達はどのようなことに配慮し計画すればよいのでしょうか。
ここでは『保護者を対象としたもの以外の行事』を行う際に、教師が配慮することについて紹介していきたいと思います。
行事をするにあたって教師が配慮すること その1:子どもが主体的に取り組めるようにする
子ども達が行事への期待感を持ち、行事に向けての活動も『先生にやらされているもの』にならないようにすることが重要です。
行事には子ども達の意見を取り入れ、子ども達の中に「早くやりたいな~!」「自分達で考えて自分達でやったんだ!」という思いが残るような行事と行事に向けた保育活動を考えなくてはなりません。
行事をするにあたって教師が配慮すること その2:子どもの成長に繋がる体験にする
行事があることで、子ども達は「~のために頑張ろう!」という目標や期待感をもつことができます。
毎日同じことを繰り返す日々は大人でもつまらなくなりますよね。
行事という目的に向かって保育活動を進めることで、子ども達にとっては普段の日常とは異なる『良い変化』が生まれ、生活の刺激になります。
子ども達は友達と一緒に行事に向けた準備をする中で様々な感情体験をし、子ども達なりに『目的意識』を持って生活することができるようになったりします。
教師は子ども達が行事を通して、喜びや達成感を味わえるよう、そして必要な体験ができるよう行事を考えていくことが大切です。
行事をするにあたって教師が配慮すること その3:行事のねらい・何のためにするのかを明確にする
行事は「年間で決まっているからやらなくてはならない」と思うことも、実際あるかもしれません。
確かに簡単に削除できるような位置づけのものではないですよね。
しかし、「やらねばらならないからやる」と思っているだけでは、子ども達にとって意味のある行事にはなりません。
行事を何のためにするのか、行事を通して、どのようなことを育てたいのか、行事をするにあたって『子どものねらい』を明確にし、意味ある活動にしていくことが大切です。
ねらいを明確にすることで、教師はどのようなことを意識して援助すればよいかについても明らかにしやすいです。
行事をするにあたって教師が配慮すること その4:去年と同じである必要はない
保育現場で「去年はこうしていたから」「毎年こうやっているから」というような考えのもと行事の計画を進めている方も実際いるのではないでしょうか。
もちろん、前年度や今までの経験で良かったものに関しては土台にし、活かしても良いと思います。
ただ、「今年も同じようにやれば良い」だけで良いのでしょうか?
その年の子ども達の実態や発達の過程は、年によって異なると思います。
また、子ども達が興味を持っているものも異なるはずです。
前年度の反省を参考にしながら、今目の前にいる子ども達の実態に合わせて行事を見直したり、精選したりしていく必要があります。
行事をするにあたって教師が配慮すること その5:結果やできばえに過度な期待をしない
特に保護者の入る行事になると、できばえや結果を重視しすぎるあまり、子どもにとって負担になってしまうような活動になっていることはありませんか?
過度な期待から、子ども達が心情面でも日程面でも苦しくなってしまうような活動では、子どもの成長にとっては決して良い経験になっているとは思えません。
あくまでも、『ねらい』を大切に教育的意義のある行事にすることが子ども達にとって1番です。
まとめ
今回は『どのような行事があるのか』『行事をするにあたっての教師の配慮』について紹介しました。
行事は、『ねらい』を明確にした上で、子ども達の成長にとってプラスになるものでなくてはなりません。
その年の子ども達の実態に合わせ、無理なく活動できるようにしてあげてくださいね。
行事を計画する際、頭の片隅にでも入れておいてもらえたら嬉しいです。
参考サイト
保育における行事「運動会」のとらえ方の変遷と課題に関する一考察
参考資料
『幼稚園教育要領解説(平成20年10月)』
- 文部科学省【著】
- フレーベル館(2008/10発売)
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