生活リズムの確立
幼稚園教諭は子ども達と半日過ごし、子どもが帰るまではほとんど座ることもないので体力がいる仕事です。
幼稚園教諭として働く平日の生活リズム(出勤時間や通勤等)に慣れ、身体に大きな負担をかけないような生活のリズムを自分なりにつかんでいくことが大切です。
1)健康・体力の保持
幼稚園教諭はクラスを任されているということもあり、実際「今日休みます」という言葉を気軽に言いにくい職業だと個人的には思います。
先生の健康が1番、手洗いうがいはもちろん、健康的な食生活や早寝を心がけ、風邪をひかないようにすることに努めましょう。
特に夏場や運動会シーズンは体力をぐっと消耗しますので、水分補給は必須です!
2)体調の調整
出勤して保育をしている途中に「あれ、なんだか頭が痛いかも」「ちょっと辛い」ということ、どんなに気を付けていても身体の不調が出てくることがあります。
「これくらいなら我慢できる」「退勤後に病院に行こう」と思って無理をすると、かえって悪化させてしまうこともあります。
身体のことは自分にしか分かりません。
誰か周りの人が「大丈夫?調子悪い?」と声をかけてくれた時には、相当体調の悪さが表に出てしまっている段階です。
フォローしてくれる職員の人数や行事の有無によってもあるかと思いますが、早退できる状況の場合は無理せず、早めに帰宅させてもらい回復に努める勇気も必要です。
保育室の整備及び環境の構成づくり
学級担任を受け持つということは、学級の子ども達と学級経営を園から任されているわけです。
任された子ども達が毎日を過ごすことになる保育室の環境整備や環境構成の基本を身に着けていくことが1~5年目の幼稚園教諭に求められます。
具体的に4つの視点で紹介していきます。
1)清潔な保育室
子ども達が健康的に過ごすためには、当たり前のことですが不衛生な環境で過ごさせるわけにはいきませんね。
毎日の掃除、毎日できないところは定期的な掃除がとても大切です。
特に床、机、椅子、水回りなど毎日使うところは綺麗にしておきたいものです。
2)必要なものと不要なものの整理
整理整頓が苦手な方も多いかと思いますが、よく見る光景に保育室のロッカーの上、ピアノの上に不要なもの、使い終えた教材がどっさりたまっている様子、身近な保育室で見たことがある方もいるのではないでしょうか。
もしかしたら、「自分だ!」と振り返られている方もいるかもしれませんね。
子ども達の手の届かないところも、整理整頓を心がけましょう。
また、子ども達の遊びの場面においても、子どもの遊びの状況に応じて、「この遊具はもう使っていないな」と不要だと感じるタイミングでは、遊具をしまうなど、定期的に子どもの遊具や玩具の整理をしていきましょう。
3)幼児の動線にあったものの配置
一斉活動でもコーナー保育でも最初のうちは、保育室のどこに何を設定したら良いか悩みますね。
「入口から入って、ここに置いておくと活動しやすい」「落ち着いて取り組んでほしいから製作コーナーや絵本コーナーは保育室の奥に設定しよう」など、子どもの動線を1つひとつ考えて環境構成ができるようになると良いですね。
ぜひ、動線の考え方については自分の園の環境とあわせて先輩教諭のやり方を聞いたり、真似たりしながら習得していきましょう。
4)幼児の実態と子ども達に経験してほしい事柄に即した教材研究
日々の保育を保育計画に沿って実施するにあたり、子どもの実態を読み取ることは年数を経て、少しずつできるようになっていくことです。
一緒に学年を組む先輩教諭とともに、『今の時期は子ども達にこんなことを経験してほしいよね』という方向性が決まったら、ぜひ色々なやり方で教材研究を試してみてください。
例えば、にじみ絵やマーブリングの方法など、水分量はどのくらいがいいかな?何色くらい出しておくのがいいかな?等、自分で実際に試してみることで知識としてもためることができます。
また、何より子ども達が実際に経験したときに『できた!』という達成感や面白さが残るベストな方法で経験をさせてあげたいですよね。
教材研究をすることで、自分自身の知識や経験の蓄積になりますので様々な方法で試してみましょう。
報告・連絡・相談の徹底
どんな仕事でも必要ですが、幼稚園教諭でも欠かせないのが『報告・連絡・相談』です。
小さなことでも先輩教諭や園長等に報告しておくと、自分以外の人が知ってくれている安心感もありますし、いざというとき助けてもらえることもあるものです。
1)1人で抱え込み禁止!
「こんなこと聞くのも恥ずかしいな・・・」と思うような些細なことでも、心配なことがあれば、先輩教諭や同僚に相談しましょう。
気になっていることを1人で抱え込んでいたことが子どもや保護者に関係することであると、大事に至ってしまうこともあります。
また1人で抱え込んでメンタル面での不調から出勤することが難しくなるケースもあります。
小さな悩みは小さいうちに解決しておきましょう!
2)謙虚さと助言の受け入れ
周囲の人に相談し、助言をもらったら素直に受け入れ、「ありがとうございます」「助かりました」等、感謝の気持ちをしっかり言葉に表しましょう。
また、助言してもらったことを実践してみてどうだったかについて、その後の報告もできると素晴らしいですね!
保育の楽しさの実感と得意分野の開発
幼稚園教諭として仕事をしている中で、「楽しい」「面白い」「やっぱり幼稚園の先生になってよかった!」と思えるような瞬間をできるだけ経験してほしいと思います。
1)保育の楽しさの発見
憧れて就いた幼稚園教諭、慣れない最初のうちは大変なことも多いです。
そんな中で、「子どもと関わっている時間が楽しいな」「子どものために用意した教材で子ども達が楽しんでくれていると嬉しいな」など、日々の中で保育の楽しさを見つけていけると良いですね。
また、遊びを通して先生自身が楽しむ気持ちを持っていないと、子ども達も楽しめませんからね!
保育の楽しさを少しずつ見つけながら、1年間やりきれると保護者の方から「ありがとうございました」や「~先生で良かったです」というお声もいただくと、本当にやりがいに繋がります。
2)得意分野の開発
人それぞれ得意不得意があるのは当たり前です。
特に幼稚園教諭となると、ピアノをする機会も多く「ピアノが苦手…」という方もよくいます。
苦手なものについては、もちろん努力して最低限できるようにすることも必要ですが、自分が得意なことを別に見つけていけると良いですよね!
例えば、絵、歌、工作、素話、壁面製作など、自分にとってこれなら任せて!と言えるものが1つでもあると自信に繋がっていきます。
素直さと謙虚さ
色々な先輩教諭や講師から様々なことを教えてもらうことが多い中で、重要なのが素直さと謙虚さです。
自分の中でそれなりに知識があることであれば、他の先生のやり方に「でも」「え?」「今時まだそんなことしてるの?」と思うこともあるかもしれません。
いくらこの知識は私も知ってるから・・・と思ったことがあったとしても自分の知識におごることなく、謙虚な姿勢で周囲の先生達に接していくようにしましょう。
また、良かれと思っていたことを先輩教諭から指摘されることもあるかもしれません。
その際も、基本的には先輩教諭から教えてもらったことに対しては、素直に聞きいれ、マイナスな態度を表に出さないように大人の対応ができるようになっていきましょう。
1)できることとできないことの判断
日々の業務の中で、技術的にも知識的にも難しいことが生じてくるかもしれません。
明らかにできないと思うことに対しては、素直に『努力してみた・一生懸命考えてみたけれども難しい』ということを周囲に伝えることも必要です。
できないことを誰にも打ち明けずにいると、周囲は『~先生は大丈夫、困っていない』と捉えます。
そして大事な時に「え?できていないの?どうしてもっと早く言わなかったの?」と周囲に迷惑をかけてしまうこともあるからです。
できること・できないことの判断を自分で行い、必要に応じて素直な気持で周囲に助けを求められるようになりましょう。
2)甘えてよいことと甘えてはならないことの自覚
ただし、何でもかんでも「できません」では周囲の先生達も困ってしまいます。
お給料をもらって働いているわけですからね。
私が組んだことのある後輩に、何においても1~10まで聞いてくる新人の先生がいました。
聞くことはもちろん悪いことではありませんが、ある程度自分で調べようとする姿勢は最低限必要だと思います。
また、教材準備等も自分のスキルになるため、自分の学級の準備は自分で行わなくてはならないという意識を持ちましょう。
笑顔と明るさ!
幼稚園教諭経験年数1~5年目というと、それなりに若手の先生が多いと思います。
保護者からしても、経験年数の浅い先生にハイレベルなことを求めるというよりかは、明るさ、笑顔、丁寧さ、子どもへの優しい関わりをしてくれる先生であることが1番です。
周囲の先生達、子ども達、保護者、誰に対しても明るく笑顔で接し、元気な挨拶をしていきましょうね。
まとめ
今回は、幼稚園教諭1~5年目の先生に求められる『身につけてほしいと思うこと』についてご紹介してきました。
若手のうちは、幼稚園教諭としての生活リズムに慣れながら自分自身の健康管理に努めることが基本です。
その上で、基本的な保育室の環境づくりの仕方を学び、保育の楽しさを実感しながら、素直な気持ちで周囲の先生達からのアドバイスを受け入れて様々な知識を自分のものとしていってくださいね。
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