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【教員は「なんでも屋」?】中学校の先生の残業の理由「事務仕事」について

教員の働き方が話題になっています。みなさんも夜遅く学校の前を通りがかると、一室にだけ煌々と明かりがともっていることに気づくことがあるでしょう。それは、職員室で残業しているのです。何をしているのか、どんな仕事があるのか、気になりませんか。今回は、中学校の先生の残業について解説します。

2017年06月14日更新

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目次
1.公立中学校教員の労働定義
2.事務仕事とは具体的にどんなもの?
3.まとめ
【教員は「なんでも屋」?】中学校の先生の残業を考える

1.公立中学校教員の労働定義

1.前提としては地方公務員である

公立学校の教員は、ご存じのとおり各自治体に属する地方公務員です。就業時間は法律によって定められ、多くは8時15分~17時(休憩時間45分を含む)となっています。この時間内にすべての仕事が終われば、当然ながら残業はしなくて済むのです。実際、家庭の事情などで残業をしない先生もいましたし、結局は時間の使い方なのかなとも思います。

しかし近年特に事務的な仕事が増え、教員の労働時間の大半を占めているといっても過言ではありません。事務仕事といっても多岐にわたっているので後述することにしますが、とにかく(生徒とは直接かかわらないような)雑多な作業もひんぱんにあり、徒労感に襲われたこともありました。また部活動の存在も見逃せません。夏が近づき、日が長くなるにつれ活動時間が長くなりますし、必然的に顧問の拘束時間も増えるということになります。

これらさまざまな要因が重なって、教員の長時間労働につながってしまっています。教員になりたい人はたくさんいて相変わらずの狭き門にも関わらず、実は体調不良などを理由とした休職者、離職者が増えているという現状もあります。

2.教員は「なんでも屋」といわれる現実

もしかしたらどこかで耳にしたことがあるかもしれませんが、教員の仕事は単に勉強を教えるだけではなく、さまざまな雑多な(とあえて言います)ことが多くあります。

生徒にかかわることならまだしも、そうでないこともやらなければならない場合があるようです。たとえば地域によっては町内の祭りに参加したり、地域の清掃活動に駆り出されたり、教員という立場だけでなく一人の人間として交流を求められることがあると聞いたことがあります。

島しょ部や過疎化が進んだ地方都市などでよくある話だそうです。自分で勤務地が決められるわけではないだけに、こういった交わりが煩わしく感じられることだってあるでしょう。もちろん地方公務員ですから、全体の奉仕者として全力で活動するよう法律で定められていますが、貴重な休日が地域行事にとられると考えると納得がいかない面もありますね。(逆にメリットもあって、地域の人に愛されると学校でも仕事がしやすくなります。地域の人=生徒・保護者でもありますから。)

これに校務分掌にともなう細々とした仕事や、行事に向けた会議、準備なども重なって、教材研究や教案を練る作業の時間が後回しになるという先生が多いのではないかと思います。

2.事務仕事とは具体的にどんなもの?

1. 研修、講習など

教育の現場は常に変化し、自分自身のスキルや知識を磨いておく必要があります。教員においてはその義務があり、研修は避けて通れません。自分のスキルを上げるためなので、どんどん研修を活用してスキルアップするべきなのですが、この他にも学校や教育委員会からの通達で受けなければならない研修というのがあります。

代表的なものは、教員1年目(試用期間にあたります)に受ける初任者研修です。一年を通じて、だいたい週1回くらいの頻度で研修に出ます。私がいた当時は講義を聞いたり、ワークショップ形式で活動したり、模擬授業をすることもありました。夏休みには1週間の合宿(泊りがけの研修)があり、朝から晩まで施設にこもり、上記のようなことを繰り返していました。そのときは実地踏査(校外学習の前に、教員だけで現地を下見すること)の研修もあったと記憶しています。

また教員10年目には通称10年研といわれる研修があり、これも通年実施されます。10年も経つと担任や部活動を受け持っている場合も多く、研修に時間を取られることが惜しいと感じる先生もおられると思います。

さらに2009年から導入された教員免許更新制度も研修の一部といえるでしょう。現行では生まれ年の下一桁(昭和あるいは平成)で順番が回ってくるため、10年に一回という計算になります。詳しくは免許更新制度のHPで調べてみてください。夏休みを中心とした時期に必修、選択あわせて30時間程度の研修を受ける必要があり、単位取得のためには試験が実施されます。

運転免許のように個人に向けたお知らせはないので、自分で更新の時期を把握していないと最悪の場合は免許が失効し、職を失いかねません。
基本的には大学などで免許更新の講習を行っていますので、自分で調べて申し込みをすることになります。研修の時間が取れないときや、遠方で出席が困難なときには、インターネットで学習できる施設もありますので、自分のスタイルに合わせて取り組むようにしましょう。

こういった官製研修は自ら受ける研修と違って、実践的なものというよりは一般論的なものもままあり、受ける意義を見出すのが困難な場合もあります。研修を受ければ必ず報告書をまとめなければなりませんし、細かなことですが負担になるのは事実でしょう。

2.小テストの準備、採点など

中学校では評価の問題はかなりシビアです。特に3年生は進路にもかかわるので、自分がどうしてそういった評価を受けたのかを知りたがることがよくあります。また評価方法が絶対評価に変わってから、観点別に評価をつける必要が出てきました。

私が担当した英語科でいうと、①「コミュニケーションに対する関心・意欲・態度」、②「表現(話す、書く)の能力」、③「理解(読む、聞く)の能力」、④「言語や文化についての知識・理解」と4つの観点があり、それぞれABCで評価をつけていました。

つまり観点別に適正な評価をつけるために、適正な材料を用意しないといけないということです。
たとえば私が実践していた例をお話ししますと、①をノートのまとめ方や提出物の状況などで判断していました。②を見るためにスピーチやALTとの会話テスト、短い作文(日記のようなもの)、③を見るためにリスニングの小テストなどを、定期テスト以外に行いました。

必ずしもこれが正しいというわけではないと思いますし、先生によって材料とするものは変わってくるはずですが、誰でも同じような作業をしているはずです。小テストはやればいいというわけでなく、その後には採点と記録が必ず待っています。受け持ちのクラスが多いほどその量も膨大なものになりますので、私自身も空いた時間は延々と採点と記録をしていた記憶があります。

日々集めてきた材料を使って、学期末に成績を出します。通常の業務と並行して行いますので、学期末は特に忙しい時期といえます。しかしこれがないと根拠のない評価になってしまい信頼を欠くことになるので、やらざるを得ない状況です。

3.定期テストの準備、採点など

ほとんどの学校は年間4~5回の定期テストがあるはずです。試験の作成も大事な仕事の一部です。絶対評価に変わり定期テストの比重が軽くなったとはいえ、生徒の実力を見るうえで大事なもの。しっかりと時間をかけて作成しなければなりません。

ただ適当に作ればいいのではなく、後に観点別に成績を付ける際に根拠となるように、設問ごとにグループ分けをして作っていました。リスニング問題はもちろん、英文を記述する問題、長文を読んで答える問題など、できれば1回の試験でいろいろな観点から評価できるようなものを作っておくと、成績をつけやすく、生徒にも説明しやすいかと思います。

4.学級運営など

担任を持つとクラスの提出物なども管理の対象となります。保護者会の出欠、面談の時間調整、教室にはる掲示物の準備、教室内の美化清掃(気になるときに、生徒とは別でやっていました)などさまざまです。このあたりは教員のカラーがあり、掲示物にはあまりこだわらない人もいましたが、私は新任だったということもあり色画用紙やイラストを多用した楽しい雰囲気を好んでいました。

学級だよりを書く先生もいます。なくても問題はないのですが、教員が日々思うことや伝えたいこと、大事な連絡をたよりで配布すると、けっこう生徒からも好評だったりします。

担任を持たない先生は学年全体の仕事を主に受け持ちます。保護者会での配布物の準備や各種の調整、名簿作りなど裏方の仕事をほとんど担っていてくれるので、大変助かります。

このように中学校では、学年単位でチームとして仕事をすることがほとんどです。個人プレーというよりはチームプレーが重視されます。我を通すだけでなく、まわりの意見を尊重するのも大事な要素となります。

5.校務分掌など

すべての教員は、最低1つ校務を分担して受け持ちます。いわゆる「生活指導部」や「進路部」、「教務部」などですが、各学年から数名ずつ集まって構成されます。進路部なら進路計画や進路に関する資料をそろえる、教務部なら年間のカリキュラムや時間割、授業数などの管理をする、といった細かな仕事があります。

他にも校内美化や保健関係に特化した部は清掃道具の管理や、配慮が必要な生徒についての情報共有といったように、各学校の特色にあった分掌が設置されているはずです。

また分掌とは異なりますが、各行事に向けて委員会が編成されることがあります。たとえば運動会だったら、競技・プログラム編成から教員配置の割り振りなど。文化祭だったら展示場所の割り振り、展示方法の取りまとめ、舞台発表の時間管理などが仕事として考えられます。委員会が素案を作成し、職員会議で議論し承認を得ます。

3.まとめ

教科指導以外の「雑務」といわれる部分は、地道でとても時間のかかる作業です。まわりの教員とも相談をしながら進めていかなければならないこともあり、ペースが遅くなるといったこともあるでしょう。これらのほとんどが学校生活に欠かせないものでありながら、どのように取り組むかは各教員に任されている部分です。事務仕事に対する積極性は人それぞれ、無理して人に合わせることもないのだと思います。

私個人としての考えは、嫌々するよりは少しでも遊び心があるとやりやすいので、自分の好きなように教室を飾り、定期テストや小テストにもちょっとした工夫をしていました。生徒はそういうちょっとした工夫も見てくれていますよ。

実際に仕事をしてみて、自分なりのやり方を見つけてみてくださいね。

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