【中学校の先生に聞きました!】仕事で役に立った本5冊

仕事の役に立ち、仕事にいい影響をもたらすものとして、「本」は非常に有益です。良い本との出会いは、仕事にも人生にも影響を与えます。

本記事では、中学校の先生に、仕事で役に立った本についてコラムにして書いてもらいました。


はじめに – 中学校の先生によるコラム

中学校の先生の仕事をする中で、筆者が役に立ったと感じた本が何冊かあります。

これらの本は、具体的に授業やクラス運営をする際に役に立つばかりでなく、仕事をしていくうえでの心構えや、生徒たちへの接し方のヒントをくれました。

今回は、そんな中でも特に有益だった本を5冊、紹介します。

その1:温室デイズ(瀬尾まいこ)

先生になりたてのある日、目の前に座っていた先生が、その本を貸してくれました。先生になってから、初めての社会人生活で忙しくて本も全然読んでいなくて、久しぶりに読んだ本でした。

その頃はなりたてで、うまくいかないことも多く、中学生は思っていた10倍くらい生意気で、毎日イライラして、「なんやこんな仕事、やめたろか」ぐらいに思っていました。

「温室デイズ」はちょうど中学生が主人公で、舞台も中学校でした。内容は学級崩壊、いじめが題材で、主人公の女の子が学級でいじめられているもう1人の主人公の女の子をかばったら、そのかばった女の子が次のターゲットになっていじめられるというよくある話なのですが、読み進めていくうちに、内容がリアルすぎて、「なんやこの本」と衝撃を受け、貸してくださった先生に聞くと、近くの中学校で働いている先生が書いているということを教えてくださいました。(当時京都府京丹後市の中学校で勤務していました。大阪出身の私は全然知りませんでした。)

最後まで読み、こんな風に中学生、中学校をみながら先生をし、ご自分の体験をもとに小説を書かれている方がいるのだなと感心しつつも、内容に共感したことを覚えています。物語の最後はその先生の中学校に対する見解のようなことが書かれていて、今まで考えたことがなかったような考え方でしたが、なるほどと思えるものでした。

それ以外の瀬尾先生の本もたくさん読みましたが、家族、若者、兄弟、もちろん学生などいろいろな題材がありましたが、いろいろな苦悩と優しい答えが待っている本ばかりで、心癒されたように思いますし、現役教師目線で書かれていて、共感できることもたくさんあったように思います。

その2:よわむしのいきかた。(神岡学)

1ページずつよわむしという虫が優しい言葉を綴っている詩集です。

こちらも教師になりたての頃に、悩んだ時に目の前に座っていた先生が貸してくれて、心癒された本です。自分も癒されたように、中学生の思春期の心を癒せたらいいなと思って、コピーして教室に張ったりしていたこともありました。

その3:クラス経営などの本

新年度が始まる前など、クラス開き前に学活でどんな話をしようかといろいろ考えたりしていましたが、そんなときにクラス経営について書かれた本などを読んだこともありました。先生の仕事も先輩の先生のやり方を見て学ぶ、教えてもらって学ぶということが多々でしたが、やはり、研究されている方が書かれた本を読むというのも大変勉強になりました。


その中でよく書かれていて、気に入っていたのが「黄金の3日間」について書かれている本で、「学級開きの日を含む3日間でクラスの1年は決まる」というような話ですが、結構いろんな本に書いていたので、担任として、いいクラス経営ができるように、「黄金の3日間」について書かれた本を何冊か読んだり、インターネットで検索したりして、研究していました。

それ以外で、長期欠席の生徒に対するアプローチについての本もたまに読んでいました。特に初めて担任をしたときなど、長期欠席の生徒についての理解が私も不十分で悩んだことも多かったので、本を読んで学んだことも多かったように思います。個々の生徒によってアプローチは違いはありましたが、参考にはなりました。

その4:SLAM DUNK

漫画ですが、最後に勤めた学校の図書室にもありました。再放送などで、長期休みのアニメなどでもやっているようで、知っている生徒も結構いました。

不良少年がひょんなことからバスケに目覚め、人として、チームとして強くなっていく青春漫画だと思います。そこに出てくる、バスケ部顧問の安西先生の言葉や、部員たちの言葉などが受験生にちょうどいいなと思い、いろんな言葉を生徒たちに届けました。(定番の「あきらめたらそこで試合終了ですよ」や「勝ちたいという想いが強いほうが勝つ」「負けたことがあるというのが、いつか大きな財産になる」など)文字だけというよりも、漫画のセリフでという形で視覚的にも生徒に見せることが、生徒の共感にもつながったように思います。受験前は1週間ごとにいろいろ教室に貼っていましたが、生徒もなんだかんだ言いながら、よく見てくれていました。

その5:とっておきの道徳授業(日本標準)

新任で務めた学校(京都府京丹後市)は道徳の授業を毎週されていて、学年の道徳担当の先生がその週の道徳の指導案を出してくださって、授業を行うという形でやっていました。教科書を使うこともありましたし、それ以外でも過去の実践集や教材の本などいろいろなことろから提案をしてくださいました。

その中におすすめということで「とっておきの道徳授業」の本を教えてもらいました。様々な県、学校の実践が載っており、とても参考になりました。大阪の学校にうつってからはあまり道徳の授業をされていなくて、ある年から道徳をしていかなければならないとなったときに、京都での経験から、京都の学校から持ってきた学校の実践集や、「とっておきの道徳授業」にのっている授業を提案し、実践していました。私が勤めていた時でも10何冊くらいでていたので、その時々で使えそうなタイムリーな話題もありました。(いじめ自殺があった際に、その本を参考にいじめについての道徳を行いました。)ほかにも、活動を含んだ道徳、漫画が題材のものなどいろいろな道徳があり、とても参考になりました。

今は、インターネットでも道徳の授業や指導案もたくさん出てくるので、それも参考にしていました。しかし、最後に勤めた学校では、最後のほうは必ず道徳の教科書を使わなければならないというしばりがあったので、別の本やインターネットの指導案は使えませんでした。(教科化していくなかで、全国でそのような形になっているのかもしれませんが。)

まとめ

いかがでしたか?

中学校の先生が仕事で役に立った本を5冊、紹介しました。

多くの本に触れることは、授業やクラス運営に役立ち、生徒たちとの会話のきっかけになり、さらに、生徒たちにたくさんの面白い本を紹介できます。

教師を目指している方、現役の先生方は、ぜひこの記事をご参考ください。

本記事は、2019年9月16日時点調査または公開された情報です。
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