アメリカにおけるいじめの捉え方とその対策

いじめは日本のみならず、世界中いたるところで大きな問題となっています。 アメリカでもいじめの問題を重大に捉え、数多くの大学で世界中のいじめに関する研究が進められ、いじめ研究に非常に前向きです。

そこで今回は、現在アメリカでいじめはどのように捉えられているのか、またその対策法などをご紹介していきたいと思います。

はじめに – いじめには社会の協力が不可欠

アメリカでは、いじめはたまたま学校で起きた個人の問題としてではしなく、社会的な問題の一つとして捉えられています。

なぜなら学生時代にいじめの首謀者になるような人は、学校を卒業したからといっていじめっこ心理がなくなるわけではなく、おとなになってからも他人を自分のいいなりにして威圧するために、家庭内、職場内での性的嫌がらせや暴力など、いろいろなハラスメントなどに走る傾向がある、と言うのが専門家のいじめに対する一般的な見解になっているからです。

そしてアメリカではたった一人のいじめっ子が始めた弱い者いじめが、人目につかないところで繰り返されるうちに他者を巻き込みエスカレートしてしまう、そういったいじめの悪循環を断つために、いじめが最も頻繁に起きる学校内だけではなく、宗教団体やボーイスカウトやガールスカウトなど子供たちが集まるあらゆる場所で、いじめ防止に努めています。

学校のいじめ対策

アメリカでもいじめが一番多く発生する場所は学校の中です。

生徒を直接指導する立場にある教師はもちろんいじめ防止のためのトレーニングを受け、いじめの芽が小さいうちに摘めるよう努力します。しかしアメリカの学校では、教師だけでは全てのいじめに対応するのには無理がある、いじめを防止する努力を持続し続けるには、教師だけの努力では不十分だととらえ、生徒の心理面のサポートのため、校内に必ずと言っていいほど、何らかのメンタルヘルスの専門家が在駐していて、教師が少しでも子供の態度に違和感を感じたら、すぐにカウンセリングを受けさせるようになっています。

日本では学校でいじめが起こること自体が悪であるかのように扱われていて、クラスでいじめが起こると、まるで担任の生徒指導に問題があるように取り扱われているようですが、アメリカの学校関係者は、いじめらしきものが発生した時点ですぐに専門家の手に委ねます。

アメリカではいじめが学校で起こっただけでは、あまり大きなニュースとして取りざたされることはありません。それどころかいじめが起こっても、きちんと迅速な対応をすることで、安心して自分の子供を預けられる学校であると、反対に保護者たちから良い評判が得られることもあります。

医療機関の協力

日本の病院でも、不自然な怪我をした子供の診断結果を医師が警察に通報することによって、隠れたいじめが発覚することは、よくある事だと思います。

子供達の定期検診を行うアメリカの小児科医は、いじめによる怪我を発見する訓練に加え、いじめのせいで学校に行きたくなくて仮病を使って恒常的に腹痛を訴え頻繁に学校を欠席する子供の、メンタルの診断も出来るようにきちんと訓練を受けています。

州によってはいじめを犯罪とする明文規定がないところもあります。そういった州で、もし医師の診断によっていじめが発覚した場合、肉体的、または精神的損傷につながる人権侵害として裁かれ、加害者が未成年であっても名前や顔写真が公開され、最悪禁固刑になる可能性があり、法的に厳しい処罰が課せられます。

ネットでのいじめ対策

ソーシャルネットワークサイト上でいじめが発生する事は、アメリカでもよくあることです。ネットいじめを防ぐため、校内での携帯電話の使用だけではなく所持を規制したり、校舎を建てる際には設計の段階で携帯電話が通じない場所を作ったりなど、対策を講じています。

子供たちは、校内外でのパソコンの使用も監視されていて、学校は保護者に対して、子供たちの使っているソーシャルネットワークサイトのパスワードを共有して、自分の子供がサイトにどんな投稿をしているのか確かめるよう勧めています。

国のネットいじめ防止対策として、2003年にブッシュ大統領が提唱した“Stop Bullying Now”という運動があり、有料ウェブサイトでは、さまざまないじめに関する学術的文献がダウンロードできます。

サイト利用者は学校関係者や専門家だけではなく、家庭の中で親子がいじめについて話し合ったりする時のテーマとして保護者がダウンロードして利用することもあるそうです。

▼参考:「Stop Bulling Now」
https://www.stopbullyingnow.com

まとめ

アメリカのいじめ対策の良い点は、何か問題が起こると、完璧な解決策ではなくてもすぐ対処し、うまくいかなければ、すぐに次の方法で挑戦するところだと思います。

社会のいじめの捉え方も、いじめは社会に悪影響を与え、どこでも起こりうるものとして捉えられていて、教育現場で教師だけが責任追及されることはほとんどありません。

日本でもいじめ対策を学校や担任教師の対応に頼るだけでなく、もっと社会で起きている他の問題と密接に関連しているという捉え方をして、いじめの悪循環を断つことによって、登校拒否も減り、教育者のストレスも大幅に軽減されるのではないでしょうか。

本記事は、2020年3月26日時点調査または公開された情報です。
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