公立中学校(大阪府)の「英語科の先生」の仕事内容・給料レポート

現役もしくは元・公務員へのキャリア・アンケートです。

今回は、公立中学校(大阪府)の「英語科の先生」(女性)に回答いただきました。

仕事内容、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてアンケートしたものを編集して掲載しています。


はじめに

公立中学校(大阪府)の「英語科の先生」(女性)によるキャリアレポートです。

レポート者のプロフィール

公務員としての職業・勤務先:中学校の先生(英語科) / 大阪府にある公立中学校
性別:女性
雇用体系:常勤講師1年、正規雇用3年
所有資格:自動車運転免許、中学校教諭一種免許(英語)、高等学校教諭一種免許(英語)

「中学校の先生(英語科)」を目指した理由

大学で免許を取ったということ、教えることも子供とかかわることも好きだったのでこの職業に就きました。 また、英語を勉強すると、世界の人とコミュニケーションできるということや自分の可能性を広げられるということなど、楽しさなども教えたかったことも理由の一つです。

「中学校の先生(英語科)」の仕事内容について

中学校の英語の教師、担任として3年勤めました。 教科指導が週15時間、それ以外にクラスでの活動(道徳、総合、学活の合計5時間)の授業を担当していました。 週5日×6時間授業のうち20時間を担当していましたので、とても忙しかったです。

放課後は部活動の指導が1~2時間あり、ずっと活動を見ていなくてもいいとはいえ、試合の準備やユニホームの発注、スポーツ用品の補填などの事務仕事もあったり、週末の練習、試合の引率なども含めると休みがない週もありました。週末の指導は勤務時間にかかわらず回1500円程度のお給料しかもらえませんでした。

授業以外には校務分掌として教務全般の仕事も受け持っていました。 時間割作成や、家庭訪問・個人面談などの案内を出したりするもので、こちらも大変仕事量が多かったです。 英語という教科だったので、求められることも多く、定期テスト以外に授業ごとの宿題や小テストなども実施していたので、ノートチェックや小テストの準備・採点などをしていると、ほぼ毎日12時間勤務していましたが、それでも時間が足りず持ち帰らないと仕事が終わりませんでした。

担任の仕事としては、給食指導や清掃指導、学級通信の作成、生徒指導(不登校の子供に会いに行ったり、ピアスや毛染めをした子供の指導、保護者との連携など)もありました。 長期の休みの時ですが、 春休みには大掃除(カーテンの選択、クラスの箒・ちりとりなどの掃除用具の状態確認)、新年度の教材の選定、学校としての新年度の取り組みに向けての会議、クラス替えの会議、新クラスでの活動の準備がありました。

夏休みには部活動の日程を組んで、活動日に合わせて出勤して校務分掌や授業の準備をしたり、テストの作成や補習授業や登校日の準備などをしていましたが、 有給休暇を取りやすかったので、午前中仕事をして午後から半休を取ったりすることも多かったです。 冬休みには授業の準備、クラスでの活動の準備、テストの作成などを行っていました。

「中学校の先生(英語科)」の1日の仕事の流れ

7時半:自宅を出て車で出勤する
7時50分:学校到着、その日のスケジュール確認
8時20分:朝の職員会議、子どもたちへの連絡事項などの確認
8時30分:ホームルーム、子どもたちへ今日のスケジュールの確認
8時45分:1時間目の授業開始
9時35分:1時間目の授業終了
9時45分:2時間目の授業開始
0時35分:2時間目の授業終了
10時45分:3時間目の授業開始
11時35分:3時間目の授業終了
11時45分:4時間目の授業開始
12時35分:4時間目の授業終了、 (午前中の1時間どこかに空き時間がある場合は、採点や宿題チェック、生徒への連絡事項のまとめなどをしていました。)
12時40分:給食準備、昼食
13時5分:給食終了、片づけ終了次第昼休み
13時40分:5時間目の授業開始
13時30分:5時間目の授業終了
14時40分:5時間目の授業開始
15時30分:6時間目の授業終了、清掃、ホームルーム(明日の持ち物確認など)
16時:終業、部活動(バドミントン部)の指導
17時以降、週1回ぐらい学年の教師だけで会議、月1回ぐらい、職員会議
18時以降、残った仕事(採点、宿題チェック、校務分掌、授業準備)
19時〜20時、帰宅準備して帰る

「中学校の先生(英語科)」の給料・残業・有給休暇について

10年以上前のことなので詳しく覚えていませんが、月給(手取り28万円、残業代込み)、ボーナス30万円ぐらいでだいたい年収400万円ぐらいだったと思います。

残業は学校がある日はほぼ毎日3時間ぐらいしていましたが、夏休みや冬休みは有給休暇が取りやすく、一週間の海外旅行などもしやすい環境でした。


この仕事で、働いているときに困ったこと

困ったことは、若いから何でも覚えなさいという考えの方も多くて、授業の準備以外の校務分掌にかかわる仕事をたくさん任されて、授業の準備や子供たちとかかわる時間が予想以上に少なくなってしまったことがありました。

また部活動は自分がやったこともないスポーツの指導を任されることもあったので、覚えないといけないことが多すぎて本当に大変でした。 部活動は専門に教える方(大学生のボランティアの方)が時々来てくださっていた学校もありましたが、全部の学校で行われている取り組みではないので、こういった専門の方に委託したりする方がいいと思いました。

また「何でも屋」のようなところがあり、春休みにはカーテンの破れたところを縫ったり、壁のペンキ塗りなどもしないといけなくて、こういった仕事も先生ではなく他の業者の方に委託できるのではないかと思いました。

そして、総合の授業なども任されていましたが、授業内容は学校による差が大きく、担任がするのであれば、普通の授業をした方が良いのでは、と感じました。 知識がないことを急に任されても先生たちの負担が増えるだけで、質の良い授業はできません。 これでは将来のある子どもたちのためになりません。 新しい取り組みをするのであれば、専門の知識がある方を招いたり、先生の数を増やして新しいことを始めるための研修などもしてしっかりと取り組める先生が必要だと感じました。

この仕事や職場でよかったこと

公務員のため安定した給料とボーナス、そして毎年昇給があったことは恵まれていたと思います。 お給料も一般企業に勤めていた同級生よりも多かったことが多かったです。
退職時には、勤務年数に応じた退職金が支給されました。

一般企業は1か月務めて翌月にしかお給料がもらえないことが多いと思うのですが、教員はその月の15日に1か月分が支払われるので、最初の月は1か月フルに働く前にお給料がもらえて驚きました。 また夏休みや冬休みには1週間以上の休みもとりやすい環境だったので、海外旅行にも行けたりして気分転換ができてよかったです。

「中学校の先生(英語科)」の仕事エピソード

失敗したことは、新任の時に指示がうまくできておらず、入学式で座るタイミングが子供たちに伝わっていなかったということ、 また、受験の時に志望していない学部を第二志望に書いていたことを保護者との連携ミスできちんと確認できておらず、合格したものの辞退することになってしまって、校長先生にも書類を出してもらわないといけなくなったことがありました。

感動したことは、3年間担任を持った子供たちが卒業するときにサプライズをしてくれたり、「ありがとう」や「ごめんなさい」など心からの言葉が聞けたときには子供たちの成長が垣間見れて嬉しかったです。

「中学校の先生(英語科)」の職場恋愛について

職場恋愛や結婚は多いと思います。 毎日大変な子どもたちとの関りをずっと共にしているので、話がしやすく盛り上がるし、悩みも同じだし相談しやすいからです。

職場以外では、同じ市で採用された同期や、同じ教科の同期などは研修の日が同じだったりするので、そういう研修でも出会うことは多いと思います。 その他の研修、市や自治体が実施する全員対象の研修などの後の打ち上げなどもあるので、こういう機会には普段話をしない方とも仲良くなる機会だったと思います。

まとめ ー「中学校の先生」を目指す方へメッセージ

大変な職業ですが、自分のやったことは必ず子供に響きます。その時には分からなくても、後々の子供たちの人生のヒントになることをたくさん教えられて、先生というのは子どもたちが大きくなってもずっと記憶に残るものです。頑張ってください。

本記事は、2020年4月17日時点調査または公開された情報です。
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