私立中高一貫校(埼玉県)の「家庭科の先生」の仕事内容・給料レポート

現役もしくは元・公務員へのキャリア・アンケートです。

今回は、私立中高一貫校(埼玉県)の「家庭科の先生」(女性)に回答いただきました。

仕事内容、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてアンケートしたものを編集して掲載しています。


はじめに

私立中高一貫校(埼玉県)の「家庭科の先生」(女性)によるキャリアレポートです。

レポート者のプロフィール

公務員としての職業・勤務先:中学・高校の先生(英語科) / 埼玉県にある私立中高一貫校
性別:女性
雇用体系:非常勤講師
所有資格:自動車普通免許 家庭 中学・高校教諭一種免許

「先生」を目指した理由

小学生のころから、良い先生たちとの出会いがあったため、教員になることを希望しました。 また、当時は男女雇用機会均等法が始まったばかりで、女性が男性と同じように仕事ができるのが 教員という仕事だったからです。

「中高一貫校の先生(家庭科)」の仕事内容について

家庭科の授業が主な仕事ですが、現在は中学一年生、二年生、三年生、高校一年生、二年生で28クラス担当しています。 授業内容は、中学一年生は食生活、二年生は衣生活と住生活、三年生は消費経済と保育、高校一年生は食生活の家族関係学、高校二年生は経済学、高齢者、福祉、住居になります。

進学校のため、食生活では医歯薬、農学部、栄養学の大学に行っても困らない基本的なことをしっかりと身につけてもらいます。 消費経済では、18歳成人に向けて税金や年金、給与明細の見方や悪質商法などについて教えています。

経済学的には大学の経済学部や経営学部に行って困らない、家族が悪質商法などの被害にあったときに困らないような、基本的なことから、社会人として必要なことを教えています。 住居では、家を選ぶ場所の地目や、条件、また住居の間取りの見方などを理解して、建築デザインなどの大学を目指すための基本を教えています。

授業外では、定期試験、小テスト、実技授業を担当し、他の教科の試験監督や模試の監督、入試の手伝いなども行っています。

「中高一貫校の先生(家庭科)」の1日の仕事の流れ

通常の授業の場合

7時 自宅を出発 (実習時は7時に学校到着で準備)
7時40分 学校到着   授業準備
8時40分 授業開始
12時45分 お昼休み
13時15分 午後授業準備
13時20分 午後授業開始
15時10分 午後授業終了 その後、実習時は片付けなど
15時20分 掃除監督 15時35分 実技提出物採点、調理実習の班を決める 実習物の注文

調理実習がある場合

6時20分 自宅を出発
7時 学校到着 調理実習準備
8時40分 授業開始
12時45分 お昼休み
13時15分 午後授業準備
13時20分 午後授業開始
15時10分 午後授業終了 その後、実習時は片付けなど
15時20分 掃除監督
15時35分 実技提出物採点、調理実習の班を決める 実習物の注文
学期末は試験答案の採点・成績ツケ(28クラス分) 技術科の先生とのすり合わせも行います

「中高一貫校の先生(家庭科)」の給料・残業・有給休暇について

月給28万円(残業代・交通費込) ボーナス年間15万円 年収税込391万円 残業は任意ですが、家庭科は専任教員がいないため、ほとんど事務作業はすべて私が行います。

また、家庭科の教員が2人しかいない上に、中学1年生から高校2年まで全部で48クラスあり、一緒に担当している先生が元公立の先生で、身体が弱く躊躇なく休みを取るため 休みは取れません。


この仕事で、働いているときに困ったこと

週5日でほとんど1日8時間以上労働していますが、社会保険(私学共済)に入ることができません。 組合など色々な人が働いてもらっていますが、学園側が全く取り合ってくれません。 国民年金、国民健康保険のために負担が大きく、休みが取れない上に責任が重いので とても辛いです。

しかし、家庭科に関しては他の学校も似たり寄ったりで、ほとんどの人が副業をしています。 私も副業をしないと、年金が払えないため、こういったところで仕事をいただいています。

また、学校がとても生徒に甘くて、自由で「わがまま」と「自由」を勘違いしている人が多すぎて 困っています。

この仕事や職場でよかったこと

主要教科と違い夏期講習がなく、夏休みはしっかりと取れるためその分は身体を休めることができます。 しかし、そこで副業をしないと生計が成り立たないのが現状です。

また、主要教科ではありませんが、授業準備などで夏休み中も何かと忙しいことはあります。 私立のため、副業禁止ではないため、副業をすることができるのはとても良いです。 夏休み中は、普段よりも時間をかけて副業をしています。 私立ですが、現場の先生たちはとても仲がいいため、以前いた学校のような先生たち同士のいじめがないのは良いです。

「中高一貫校の先生(家庭科)」の仕事エピソード

5学年の生徒たちを担当しているため、生徒が12歳から17歳までの5年間を見ることができます。 そのため、成長を目の当たりにできるのがとても楽しいです。 他の教科の先生は、中学だけ、高校だけということもあり、生徒の成長をずっと見守ることができませんが、その点はとても楽しいです。

特に、有名大学を出ても「家政学部」や「薬学部」などわからない先生がいるため、 進路相談をしてくる生徒もいます。「建築学科」の受験でも相談を受けることがあります。 小学校から上がって来る子は、わがままな子も多いですが、ある日突然大人になって 「前は子どもだったんだよ」と生徒が自分で言うのが、すごく面白いです。

「中高一貫校の先生(家庭科)」の職場恋愛について

私自身は、OL時代の企業での職場結婚でしたが、以前の職場は結婚はいいけれど、着任中の妊娠出産は認めていませんでした。 女性ばかりの職場(女子大)でしたが、皆さん苦労していたようです。

現在の学校は、比較的職場恋愛、結婚の先生は多いです。私立ですが、こういったことは自由で、また系列校が首都圏に5校以上あるため、職場結婚をした後は、夫婦でも他の系列校に転勤することで続けることができます。 生徒に対しても、行き過ぎない程度なら、先生方も目うつぶっているところがあるようです。

まとめ ー「家庭科の先生」を目指す方へメッセージ

現在、教員免許が10年で期限が切れてしまいますが、家庭科はたくさんのことを経験して、やっと教えられる科目です。他の企業や結婚・出産・子育てそして介護など幅広いことを教えられる経験と知識が必要です。

本記事は、2020年4月22日時点調査または公開された情報です。
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