公務員になるための情報サイト

【社労士】社会保険労務士事務所の勤務社員のキャリアや仕事内容・年収

社労士や労務士と呼ばれる「社会保険労務士」の国家資格を取得した人事のプロフェッショナルの職業紹介です。今回は、社会保険労務士事務所の開業形態として多数を占める個人事務所で働く勤務社労士のキャリア・仕事内容についてご紹介します。

2017年11月28日更新

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
目次
会社・業種・職種と仕事内容について
仕事内容 1日について
年収やキャリアデザイン・働き方・初任給
業界展望(先行き)やこれからのトレンドについて
競合となる会社や商品について
まとめ
社労士の仕事内容・年収・キャリアデザイン

会社・業種・職種と仕事内容について

社会保険労務士は個人事業主や中小企業の人事・労務に関するプロフェッショナルです。企業を経営していく上で優秀な人材の確保は欠かせません。また昨今は従業員とのトラブルが発生する件数も増えています。

特に国をあげての「働き方改革」で人事労務に関する関心はかつてないほど高まっています。従業員を働かせるにあたっては労働基準法など労働関係各法を遵守する必要があります。もしも法違反をしてしまったら場合によってはブラック企業と報道をされ信用の低下を招いてしまいます。

社会保険労務士は働きやすい環境を整えるお手伝いをすることで、結果的に従業員のパフォーマンスを引き出し経営に貢献できる人材になってもらうために企業と従業員との橋渡し役を務めます。

またそれ以外にも労働保険や社会保険の手続き業務や助成金の申請など社会保険労務士だけが行うことができる業務もあります。

社労士の多くは社労士事務所に勤務しています。実務経験を積んでから、独立開業するというのが一般的な流れです。また勤務社労士として企業の総務人事で活躍する人もいます。

私の場合は開業して30年以上経つ業歴が長い個人経営の社会保険労務士事務所に勤務していました。社員数は5人です。そのうち社会保険労務士の資格を持っていたのは4人です。ただし所長を除く3人は開業登録はもちろん、勤務登録もしておらずいわゆる有資格者として業務に従事していました。個人経営の社会保険労務士事務所では一般的な形態であるといえます。

業務内容については担当する顧問先を振り分けられ顧問先の労働保険・社会保険手続、労務管理上のアドバイス等を基本的には単独で受け持っていました。単独での判断が難しい場合(たとえば従業員との労務トラブル時や人事制度設計など)は所長に報告・相談の上で業務を進めることになります。

担当する企業はさまざまな業種でした。飲食店、介護施設、コンビニチェーン、建設業と多岐にわたります。社会保険労務士事務所によっては特定の業界に特化した所もありますが、一般的にはどんな業種でも「話があれば受ける」事務所が大多数です。企業の規模も従業員5人という所から3千人程度とばらつきがありました。ただし入社当初は比較的小規模で、あまり手のかからない企業を顧問先として与えられ徐々に担当数が増えていきます。

仕事内容 1日について

社労士事務所の勤務時間としては始業9:00~終業18:00としているところが多いようです。1日の流れはおおよそ下記のような感じです。

9:00  出社してメール・FAXチェック
10:00 役所(労働基準監督署やハローワーク)へ書類提出に行く
12:00 休憩
13:30 顧問先訪問し労務上の問題点がないか打合せ
15:30 顧問先訪問し新たに雇用した社員の書類等受け取り
17:00 帰社し役所へ提出する書類の作成
18:00 退社

社労士事務所の勤務社員にとって役所への書類提出は必須業務です。主な訪問先の役所は、労働基準監督署、ハローワーク、年金事務所といったところです。顧問先が従業員を採用したときや退職したときの各種手続きの書類等を作成し提出します。

また顧問先を定期的に訪問し、労務管理上の問題がないかを話し合います。残業は少ないほうだと思います。定時にきっちりと帰れることもあります。ただし終業間際に顧問先から従業員トラブル発生の連絡が入ることもあります。その場合は残業して対策を講じることもあります。土日休みの完全週休2日制を採用している事務所が多いので、子育て中の女性にとっても働きやすい環境だといえます。

年収やキャリアデザイン・働き方・初任給

年収については勤務先によってさまざまです。業界自体の慣例として個人事務所勤務は独立開業のための「修行の場」と捉える向きがあります。そのため一般企業に比べて給与水準が低いこともままあります。

個人で運営している社労士事務所の場合は新卒採用ということはほぼありません。中途採用が中心です。初任給は18~22万円としている事務所が多いです。私の場合、これに残業代や手当を合わせて初年度は年収300万円ほどでした。ボーナスはありませんでした。ボーナスの有無は事務所によって異なります。私の場合は約3年勤めて独立しました。最後の年の給与は約350万円ほどでした。ボーナスがない代わりに毎年の昇給が2万円でした。

社労士事務所の中には全国展開している大手法人もあります。この場合は一般企業に近い勤務体系、給与体系です。独立を目指す人の集団というよりは継続して勤務することを前提としたビジネスパーソンという色合いが濃くなります。

キャリアデザインとしては独立開業を目指す人がほとんどです。ひと通り社労士としての業務を覚え、経験を積む目安として3~5年ほどかかります。いずれ自分の事務所を構えることを夢見て日々の業務に取り組んでいました。

前述のとおり独立を目指す前提ですので、働き方も事務所に雇われているとはいえ各社員には一匹狼のような面があります。自分が担当した顧問先への対応についてはある程度以上の裁量を任されていましたので、仕事に対する主体性と責任感が必要です。

さて社労士事務所に勤務する社労士として気になるのが「独立時に顧問先を持って行っていいのか」ということがあります。結論からいえばこれはケースバイケースです。一般的には在職中に自分が獲得してきた顧客はついてくることが多いので独立時に自分の顧問先として持っていっても黙認されます。また担当する中で経営者の方と仲良くなれば自分が獲得してきたところ以外でもついてきてくれたりはします。しかし全く認めない、という社労士事務所も当然あります。

独立後の収入も気になるところです。社労士の平均年収はおよそ700万円前後といわれています。成功すれば年収が1,000万円を超える人もいます。書籍の出版やメディアへの出演などで社会的な地位や名誉を得ることもあります。一方でなかなか顧問先が見つけられず100~200万円台の年収の人もいます。特に開業当初はほとんど収入がない状態というのも珍しくありません。

社労士としてどのように顧問先を獲得するかについてもご紹介します。一番確実と思われるのが「紹介」です。既存の顧客からやお付き合いのある他士業、身内や友人からの紹介はほぼ確実に契約が見込めます。飛び込みやテレアポという古典的な営業手法をとることもあります。また異業種交流会などに積極的に顔を出すのもアリです。

社労士はたくさんいます。その中で自分を選んでもらうためには当然ながら他との差別化を図る必要があります。法律上の知識や手続きに関しては社労士であればできて当たり前。むしろ顧客が必要としていることを感じることや人付き合いなど人間力が必要です。人と接するのが苦手という人は成功するためにはそれを克服していかなければなりません。

業界展望(先行き)やこれからのトレンドについて

社労士はまだまだ企業への関与率が高いとはいえません。そのぶん開拓の余地はあるといわれています。特に働き方改革の推進や近年の労務トラブルの増加でニーズはかつてないほど高まっていると思われます。

重要なのは他社との差別化を図ることです。そのため特定の分野に特化した社労士もいます。具体的にいうと助成金の申請のノウハウを持っている、障害年金に強い社労士、といった具合です。将来の独立にあたっては自分がどの分野に強いのかということや自分のやりたい方向性などを戦略的に考える必要があります。

独立して成功する社労士は開業前からこうしたことを考えています。社労士だから独立するのが当たり前という考え方では厳しいかもしれません。社労士事務所に勤める勤務社労士が普段接するのは顧問先の経営者であることが多いです。労務管理については彼ら経営者に指導する立場ですが、一方で経営については学ぶことが多々あります。顧問先と良い関係をつくるうえでもこうした謙虚に学ぶ姿勢は必要です。

競合となる会社や商品について

社労士事務所の競合相手は同業だけとは限りません。たとえば労働保険・社会保険の書類作成・提出代行は社労士の独占業務なので他業種が行うことはできません。これに対して企業の労務管理などのコンサルティングは資格がなくても行うことができるため経営コンサルタントなどと競合することになります。

他の士業でいうと税理士や中小企業診断士と競合することもあります。もちろん他の士業と協力して顧問先への指導を行うこともあるので、つかず離れずの関係といえます。

また最近では人事管理をクラウド上で行うことのできるサービスがあり、手軽で価格も安いことなどから社労士とわざわざ契約しなくても自社でできる、と考える企業もあるため社労士としても今後はIOTによるサービスや知識の提供についての必要性を感じます。

まとめ

社労士という仕事自体は今後も需要がなくなることはないと考えています。それは働き方改革に見られるように日本の企業のあり方や従業員とのかかわり方がこれまでと大きく変化しているからです。

どんなに優れた人事制度を作ることができても実際に運用するのは人です。人が行う以上は予期せぬ問題やミスが必ず発生します。それを解決できるのは社労士の人間力にかかっていると考えています。法律上の知識や経験はもちろんマネジメントや心理学まで幅広いスキルが求められます。

自分の頑張りしだいでは同年代よりも多くの収入を得るチャンスがあり、また企業の人事制度を構築するなど自分の仕事がこの先何年にもわたって形として残るなどやりがいに満ちた仕事だと感じます。

今回は社労士事務所勤務について収入や働き方、キャリアプランについてご紹介させて頂きました。

この記事に関連するキーワード

民間企業研究(業界・職業情報)に関するおすすめ記事

公務員カレッジに関する新着記事

ページトップ