【民間から先生へ】「公立小学校の先生」の仕事内容や給料・残業レポート

公立小学校で働く、キャリア通算7年半の「先生」によるキャリアレポートです。

今回は、その「先生」の仕事内容や一日のスケジュール、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてインタビューしたものを編集して掲載します。


はじめに

公立小学校で働く、キャリア通算7年半の「先生」によるキャリアレポートです。

ちなみに、その方は、教諭、常勤講師、非常勤講師すべてを経験されており、また、小学校2種と、中学校国語1種と、高校国語1種の資格を持っているそうです。

なお、公立小学校のため、地方公務員として勤務します。

「公立小学校の先生」を目指した理由

大学を卒業後一般企業に就職しましたが、肌に合わず転職したいと考えていました。

ちょうどその時に、教員免許の手続きに行った役所で、「講師が足りなくて困っている、やらないか?」と声をかけられ、軽い気持ちで「やります!」と返答したのがきっかけです。

免許は中学と高校しか持っていなかったのですが、小学校に配属され、働きながら小学校免許を取りました。

「公立小学校の先生」の仕事内容について

小学校の教員の仕事は、担任する児童への教科指導や生活指導、児童の評価、授業の準備や採点、学年だよりや学級だよりの作成、学年やブロックなど職員同士の打ち合わせ、行事準備、校務分掌、自身の研修、各種書類の処理などです。

校長の方針にもよりますが、基本的に児童が学校にいる間はなるべく児童のそばで一緒に活動することが求められます。よって、急を要しない採点などの作業の殆どは、放課後の仕事になります。

新人のうちは、授業の準備にもかなり時間がかかります。

年度当初の授業計画や週案にそって、限られた時間の中で授業を滞りなく進めるには、きちんとした授業準備が必要不可欠です。プリントや教材教具を用意したり、準備のシミュレーションをしたりします。

また、ある程度学年で授業内容を揃える必要があるため、同じ学年の先生方とは頻繁に打ち合わせを行います。


校務分掌とは学校全体の管理や運営に関わる仕事で、年度初めに振り当てられます。

教科書の配布のような事務的な仕事から、生徒指導に関する仕事、運動会などの大きな行事に関する仕事、学校全体で取り組む研究に関する仕事などがあります。

また自身の研修もあります。自身研究授業には多くの労力を要しますし、他の先生の研究授業も拝見し、前後の検討会に参加したりレポートを書いたりします。その他講演や講習への参加も義務づけられています。

さらに出席簿や週案など定期的に提出するもの、また、学年だよりや学級だよりなど定期的に発行するもの、そして、年間指導計画や通知表、指導要録など、時期によって忙しくなるものもあります。

「公立小学校の先生」の1日の仕事の流れ

7時45分 学校到着
8時 教室や昇降口で子どもたちを迎える。朝自習指示出し
8時25分 職員会議、または全校朝会や集会
8時40分 朝の会
8時50分 1時間目開始
10時25分 中休み
※若い教員は子どもたちと遊ぶことを推奨される。
12時15分 給食指導開始
12時55分 昼休み
※給食後の片付けや台ふきなどの当番指導、当日中に返したい連絡 帳などの記入。
13時30分 そうじ指導
※子どもたちと一緒にそうじをしたり、そうじ場所を巡回する。
13時50分 午後の授業開始
15時~16時 下校
※週に一度、クラブや委員会の指導があります。
17時~24時 帰宅
※児童帰宅後は丸つけ、翌日の授業の用意、学年の打ち合わせや校務分掌その他の仕事をする。

授業以外の業務状況について

小学校で負担に感じるのは、時数管理や出席簿管理などの事務作業や採点やプリント準備などの単純作業です。それらによって個別に対応したい児童への時間が取れなかったり、児童と関わる時間が減ったりするのが心苦しい時もありました。

可能であればサポートしてくれる方を雇っていただきたいです。

「公立小学校の先生」の給料・残業・有給休暇について

私の場合ですが、公立小学校の「先生」の月給は、手取り20万円ほどでした。ちなみに、年収は450万円~500万円弱ほどでした。

残業代は一切出ませんが、残業しないと到底回らないので、深夜に帰ることもザラでした。

有給休暇については、急病時を除き長期休暇中の取得がほとんどでした。

この仕事で、働いているときに困ったこと

書類や事務的な作業が思いの外膨大で、日々それらに追われ、肝心の児童への指導が思うようにいかず、とても歯痒い思いをしました。

もっと児童1人1人に手をかけてあげたかったです。

まずは教員1人当たりの児童数を減らし、教員の目が児童に行き届くようにして欲しいと思います。

また、私自身も含め、教員のパソコンスキルのなさも作業が非効率になる大きな要因の1つだったように感じます。なかにはパソコンアレルギーの方もいて、若い教員がパソコン関係の仕事を引き受けざるを得ないこともあり困りました。

この仕事や職場でよかったこと

公務員なので当然生活は安定していますし、保養施設や図書購入の補助などの福利厚生も充実しています。


給与は確実に毎年上がり、退職金も多いので将来的にも安心です。

また信用力も高く、住宅ローンなどの際もスムーズに手続きできるようです。

仕事に情熱を持っている同僚が多く、仕事についてアドバイスをいただいたり、熱く語り合ったりできるのも魅力的です。

何より担任児童が成長していく様子は本当に嬉しく、日々やりがいを感じられる恵まれた仕事であると思います。

「公立小学校の先生」の仕事エピソード

初任のときに担任した小学2年生のクラスが、発達障害2人の大変なクラスでした。

私の指導力不足もあり、その2人にふりまわされているうちにクラスは荒れ、授業中に立ち歩いたり、指示を無視されたり、反抗的な態度を取られたりが常態化してしまいました。喧嘩や私への暴力もあり、保護者からのクレームも多く、正直毎日が必死で、暗い闇の中にいるような日々でした。

しかし、周りの先輩方が、空き時間に授業に入って一緒に指導したり、一緒に悩んで解決策を考えてくださったお陰で、何とかクラスもある程度落ちつき、次の学年に引き渡すことができました。彼らが卒業するとき、すでにその学校を離れていたのですが、式で立派な姿を見せてもらい感無量でした。

学校の先生の職場恋愛について

教員は非常に同業者との結婚が多い職業であると感じます。

理由としては、仕事への情熱があり熱く語り合う飲み会のような機会が、若手には特に多いことや、泊まり掛けの研修や学校行事が多く、本音で語り合える機会が多いことなどで距離が縮まりやすいことがあげられると思います。

また、他業種との仕事上の接点もあまりないので、職場内でまとまりやすいのもあるかもしれません。

職場以外では、紹介やお見合いも一定数いるようです。「先生」という仕事は、一般的にかたい仕事というイメージがあるため好まれるようです。

まとめ ー「学校の先生」を目指す方へメッセージ

教員は大変ですが、やりがいがあり一生をかけることができる仕事です。

頑張ってください。

本記事は、2018年7月24日時点調査または公開された情報です。
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