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学校の先生になりたい方が押さえておくべき「教員免許」の基礎知識まとめ

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学校の先生が持っている「教員免許」には種類がある

日本で「学校の先生」として勤務し、教壇に立つには、原則として「教員免許」が必要です。この教員免許には、大きく3つ、有効期限が10年の「普通免許状」と「特別免許状」、有効期限が3年の「臨時免許状」があります。

教育職員免許法に基づいて学校教員免許制度を管轄するのは文部科学省ですが、教員免許の授与については、基本的には各都道府県の教員委員会の役割です。

教員免許を持つ先生が勤務する「学校」について

日本では、教壇に立ち子どもたちに教育する立場になるためには「教員免許」が必要です。文科省では教員免許制度について「相当免許状主義」を掲げており、学校の種類ごとに教員免許状が必要とされています。その教員免許を持つと勤務できる学校には具体的にどのような種類があるのかをご説明します。

まず「幼稚園教諭」「幼稚園助教諭」が勤務するのは就学前教育を行なう「幼稚園」や、幼稚園の機能と保育園の機能が一体となった「認定こども園」などです。なお保育園の先生(保育士免許)は、管轄が文部科学省ではなく、厚生労働省の管轄になるため、今回の先生の免許解説からは、一旦省きます。

続いて「小学校教諭」「小学校助教諭」が勤務するのは初等教育を行なう「小学校」や小中一貫の「義務教育学校」などです。

「中学校教諭」「中学校助教諭」が勤務するのは、前期中等教育を担う「中学校」や、中学校の機能が含まれる「義務教育学校」や中高一貫校の「中等教育学校」の前期課程などです。中等教育学校には高等学校の機能もあるため、一般の中学校にあたる「前期課程」と、高等学校にあたる「後期課程」の両方で教えるには、中学校の教員免許状と、高校の教員免許状の両方が必要なようです。

「高等学校教諭」が勤務するのは、後期中等教育を担う「高等学校」や、中高一貫の「中等教育学校」などです。ちなみに、一般的に「高専」と呼ばれる「高等専門学校」の教員になるには教員免許は必要はなく、主に大学院の博士課程や修士課程を卒業した人が、研究者の立場も兼ねて教員を勤めているようです。

また、「特別支援学校教諭」が勤務するのは「盲学校」「聾学校」「養護学校」などです。従来は学校の種類ごとに教員免許が設けられていましたが、平成19年の学校教育法の一部改正により、「特別支援学校教諭免許状」に一本化されました。専門的な教育領域は「視覚障害者に対する教育」などと特定して免許を授与される仕組みで、その教員がどのような生徒への教育が行えるのかわかるように

「養護教諭」「養護助教諭」には学校種別が無く、免許を取得すると小・中・高・養護学校などの「保健室の先生」として勤務します。「栄養教諭」も同様に、学校の種別がありません。栄養教諭については学校専任の場合もあれば、複数校を掛け持ちしている場合もあります。また、栄養教諭には助教諭という職種はありません。

学校教員免許の「普通免許状」とは

「普通免許状」は最も一般的な教員免許で、教諭、養護教諭、栄養教諭になるために必要な免許状です。普通免許状は教員養成課程のある各種学校で学び、必要単位を取得して卒業して各都道府県の教育委員会に授与申請をすることで取得が可能です。取得すれば全国の学校で有効です。

普通免許状には小学校や中学校など学校ごとの種別や、国語科や理科などの教科ごとの種別、また教員養成課程をどの程度受けてきたか、つまり学歴による「専修」「一種」「二種」などの種別があります。


学校教員免許の「特別免許状」とは

「特別免許状」とは、教諭として勤務できる教員免許の一つで、取得した都道府県でのみ有効な免許です。特別免許状は社会人経験がある人が、「教育職員検定」を経ることで授与されます。特別免許状の取得のためにはまず、教員を任命または雇用しようとする者の推薦が必要とされており、例としては、「看護師」が高校の「看護科」の教員になることや、「外国人の英会話学校講師」が中学校の「英語科」の教員になることなどが想定されているようです。

幼稚園教諭にはこの「特別免許状」の設定はありません。

学校教員免許の「臨時免許状」とは

「臨時免許状」とは、助教諭や養護助教諭として勤務できる教員免許で、取得した都道府県内の学校でのみ有効です。有効期限はほかの免許に比べて短く3年ですが、普通免許状を持つ教員を一定の期間採用できないなどの事情がある場合に6年に延長することができる特例措置もあるようです。

この助教諭を採用する「臨時免許状」は戦後まもなく教員不足を解消するために活用されていました。近年では、教員不足の自治体が教員免許取得見込みの大学生に臨時免許状を発行して教壇に立ってもらっていたという事例もあり話題になりました。

一方で、教員免許を持たない非正規雇用の「特別非常勤講師」を採用できるような規制緩和が行われたため、非常勤講師が増加しており、全体としては非常勤講師が増加するのと相対的に、助教諭というポストでの任用は少なくなっていると言われています。

教員免許の「普通免許状」の種別について

最も一般的な教員免許である「普通免許状」には、どの学校を卒業するかによって取得できる種類に違いがあります。学校ごとにどのような教員免許が取得できるかをまとめます。

大学院修士課程卒業で取得できる教員免許「専修免許状」

教員養成課程のある大学院修士課程を卒業すると取得できるのが「専修免許状」です。正式には取得する学校区分ごとに「幼稚園教諭専修免許状」や「養護教諭専修免許状」などと表記します。

「専修免許状」は教員免許状の中では最も高い学歴が必要な免許ですが、一般教員として採用される場合に特別有利ということは少ないと言われています。ただし、高等学校の校長になるには原則専修免許状が必要と規定があるので、管理職を目指すには有利な免許と言えるかもしれません。一部の私立学校では専修免許状取得者のみを採用しているようなので、私立学校に勤務したいと考えている方は、一度どの免許が必要か確認しておく必要があると思います。

また、初任給は高い傾向にありますが、就職する時の年齢も高いので、同じ年齢で比べると給料には差がないということが多いようです。

大学卒業で取得できる教員免許「一種免許状」

教員養成課程のある四年制大学を卒業し、学士の学位を得た上で取得できるのが「一種免許状」です。正式には取得する学校区分ごとに「小学校教諭一種免許状」や「高等学校教諭免許状」などと表記します。

「一種免許状」は、小学校教諭、中学校教諭、高等学校教諭、養護学校教諭では最も取得者の割合が多い免許です。

短大卒業で取得できる教員免許「二種免許状」

教員養成課程のある短期大学を卒業すると取得できるのは「二種免許状」です。正式には、取得する学校の区分ごとに「中学校教諭二種免許状」「栄養教諭二種免許状」などと表記します。

「二種免許状」は、幼稚園教諭や盲学校教諭、聾学校教諭での取得者の割合が高いようです。高等学校教諭には二種免許がありませんので、高校教諭になるためには四年制大学卒以上の学歴が必要だと言えます。

「努力規定」について

「二種免許状」だからといって、採用で不利になることは少ないようですが、二種免許状には、採用後に一種免許状の取得し二種免許状を一種免許状に変更することを目指す「努力規定」があり、職場によっては一種免許状の取得をするよう勧められることがあるようです。

免許の種類と採用の関係

取得する教員免許の種類と採用の関係については、どの学校の教員になりたいかによって少しずつ事情が異なります。


高等学校の先生になりたいと考えている方は、「一種免許状」か「専修免許状」を取得す必要があるので、四年制大学以上に進まなくてはなりません。また、高等学校の校長など管理職を目指す人は「専修免許状」を取得しておいた方が有利との見方もあります。

一方で、幼稚園教諭は短大で「二種免許状」を取得し、早くから現場で働いている方が多いという特徴があるため、早く働きたい方は「二種免許状」で十分ですし、もちろんもっと専門的に学んでから働きたいと考える方は「専修免許状」の取得を目指すことも選択肢のひとつだと考えられます。

まとめ

このページでは、教員免許の種類についてまとめました。教員免許は大きく分けると交付条件と有効期限が異なる「普通免許状」「特別免許状」「臨時免許状」があります。

そして「普通免許状」には、資格条件つまり学歴ごとに「専修免許状」「一種免許状」「二種免許状」という3種類があります。取得する免許によって勤務できる学校に違いがあるため、どの学校の先生を目指すかによって取得すべき免許は異なります。

また、将来管理職を目指したければより上位の免許取得が望ましいですが、まずは「二種免許」でなるべく早く現場を経験したいと考える方もいるようです。就業してから、「二種免許」を「一種免許」に、さらに「専修免許」に変更し、スキルアップする方法もありますので、自身の将来のキャリアコースと照らし合わせ、どの免許を取得するのか検討するとよいでしょう。

本記事は、2018年8月26日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 教員免許について、免許は一種類で小学校や教科によって分類されるものだと思っていたので驚きでした。制限の違いなどもあって勉強になりました。

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