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保健室の先生(養護教諭)の1年間の仕事内容 – 小学校・高校の場合

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目次

はじめに – 保健室の先生(養護教諭)とは?

「保健室の先生」の正式名称は「養護教諭」です。国語や英語などの教科を教える先生と同じく、「養護教諭」の免許を持っています。

例えば国語の先生は、毎日国語の時間になると、教壇に立って国語の授業をします。授業がない時間も、教材の準備をしたり、プリントやテストを作ったりと、仕事内容が想像しやすいです。

でも、保健室の先生(養護教諭)が、病気やけがの生徒がいないときに保健室でどんな仕事をしているかは、想像しにくいのではないでしょうか。

本記事では、保健室の先生(養護教諭)の1年間の仕事内容について、小学校と高校の場合で、それぞれ説明します。

保健室の先生(養護教諭)の主な仕事5つ – 小学校の場合

まずは、小学校で働く保健室の先生(養護教諭)の主な仕事を5つ紹介します。

保健室の先生(養護教諭)の仕事その1:けがや病気の対応

保健室の先生(養護教諭)の仕事、1つ目は、けがや体調不良で保健室に来た児童・生徒の対応をすることです。けがならば手当をし、体調不良なら保健室で休んでもらい、病院に行く場合にも、その対応をします。

保健室の先生(養護教諭)の仕事その2:定期健康診断

2つ目は、定期健康診断を行うことです。どこの学校も、4月~6月に行うのが一般的です。私の働いていた小学校では、毎年6月30日までに定期健康診断を実施し、検査・検診後、保護者に結果を通知しなければなりませんでした。

年度初めである4月は、児童の健康状況を保護者に問う書類がたくさんあります。

保健調査票、結核検診問診票、運動器検査問診票、心臓検診問診票といった問診票から児童の健康状態を把握し、健康診断の際に学校医に相談もしくは判断を伺います。

以下がその項目です。

・保健室の先生(養護教諭)が行う検査:身長・体重・視力・聴力
・学校医・学校歯科医が行う検診:眼科・耳鼻科・歯科・内科
・委託検査:尿検査・心電図検査


保健室の先生(養護教諭)が行う検査以外には、検査の補助、検査器具等の準備や名簿の作成、検査結果の記録、保護者からの伝達事項を行います。

児童数が多い場合は、結果の記録を担任に依頼する場合もあります。

保健室の先生(養護教諭)の仕事その3:「保健だより」の発行

3つ目は、「保健だより」の発行です。保健室の先生(養護教諭)は、小学校・中学校など、校種問わず、年間を通して「保健だより」を発行し、保健指導を行います。

多くの学校は、月に1回のペースで「保健だより」を発行します。

保健室の先生(養護教諭)の仕事その4:「災害共済給付金」の申請、給付業務

4つ目は、保健室の先生(養護教諭)の仕事とは限りませんが、独立行政法人日本スポーツ振興センターへの「災害共済給付金」の申請、給付業務を行います。これは、児童・生徒が学校でけがや病気になった際に、医療費の給付を受けることができる制度です。

保健室の先生(養護教諭)の仕事その5:保健指導

保健指導とは、児童・生徒がよりよい生活習慣を送るために、助言や指導を行うことです。

今回は、私がある小学校で、1年を通して行った保健指導の内容を説明します。

4月
4月は、年度初めのため、保健室の利用の仕方や自分でできるけがの処置などの保健指導を検診前に行い、与えられている壁面の掲示を作成するなどします。

5月
5月は、運動能力測定がおこなわれる時期でもあり、ゴールデンウィークなどの長期休みや新学期が出てくる時期のため、ストレス解消法や効率のいい体の使い方などを保健だよりに掲載したり掲示したりします。

児童の発育状況を見て、初経精通指導に向けてナプキンやショーツなど指導に使うものをメーカーに無料で提供してもらう準備をします。

6月
6月は、6月4日から始まる歯科衛生週間に合わせて、歯磨き指導を行います。給食後の歯磨き指導や掲示で啓発します。

また、プール指導が始まるため、プール前の健康観察を行います。

7月
7月は、夏休みに向けて熱中症予防の指導や冷房の使い方を指導します。夏休みの生活記録や歯磨きカレンダーを作成します。

林間もしくは臨海学習として宿泊行事がある場合、引率もしくは付き添い看護士への引継ぎを行います。

8月
保健室の整備や資料の整理、健康診断票等の諸帳簿点検、校外への研修も多く入り、自治体の養護教員会の活動を行います。


また、定期健康診断の結果のデータ入力や自治体に提出する保健調査入力などの事務作業も夏季休業中に多くあります。

又、11月に行う「就学時検診」に向けての準備を行います。最近では8月の最終週から新学期が始まります。その場合、新学期の身長・体重測定を行います。

9月
9月は、運動会の練習が始まります。水分補給の重要性や熱中症にもまだまだ注意が必要なため、自分自身の健康管理について指導します。

10月
10月10日の目の愛護デーに合わせて2回目の視力測定を行います。目の健康やゲームやテレビなどとの付き合い方について指導を行います。

色覚検査を保健室にて養護教諭が行います。気になる児童へは、眼科への受診を促します。

6年生の宿泊行事が入れば、引率もしくは引率看護師への引継ぎを行います。

11月
11月は、11月8日のいい歯の日にあわせて歯科指導を行います。

自治体によりますが4年生に向けてのフッ化物塗布を行い、1月の歯科検診でCO(要観察歯)があった児童の経過を観察するための歯科検診を行います。

次年度の入学児童対象の「就学時検診」があります。

検診の結果入学前に確認事項が必要な場合、管理職を通して保護者へ連絡を取り、結果を教育委員会へ報告します。

12月
冬休みに向けての生活指導や外遊びの勧めを行います。縄跳び指導を行うことが多く、骨への刺激が成長につながることを指導します。

また、冬休みの歯磨きカレンダーや生活の記録を作成します。

6年生は受験を控え、3学期の受験が終わるまで登校しない児童も出てくるため、個別に指導を行います。

1月
1月は、新学期の身長・体重測定を行います。

インフルエンザなどの感染症が流行する時期なので、感染症予防の保健指導を行います。

子どもは冬でも、体を動かすと発刊するので、冬の汗の処理についてもあわせて指導します。

児童の発育具合を見て月経や精通に対する指導を、教科「保健」とあわせて4年生担任と相談しながら保健指導を行います。

2月
2月は、年度末に向けてまとめの月です。

6年生の進学先が決まってくるので、進学先に送付する健康診断票の点検や独立行政法人日本スポーツ振興センターの事務作業を行います。


自治体の養護教員会の発表月のため、校外への研修が多くなる月です。

3月
3月は、6年生に渡す6年間の成長記録を作成し、卒業に向けて準備します。

4月の定期健康診断に向けて、日程調整、準備物の発注、次年度入学・進級児童に必要な書類準備など事務作業が多くなります。

保健室の先生(養護教諭)の主な仕事 – 高校の場合

次は、高校で働く保健室の先生(養護教諭)の仕事について説明します。

けがや病気の生徒の対応をするという点は、小学校と変わりません。

健康診断についてですが、高校では、4月に全教職員・生徒が1日で「健康診断」を行います。そのため、日程調整や場所や教職員の配置などを、保健主事と相談しながら決め、2月の職員会議で全教職員の了承を得て臨みます。

私がいた高校は、人数が1000人規模のため、準備と事後処理は大変ですが、検診自体は1日で終わります。

保健指導も、小学校のように細かには行いません。年間の保健指導を生徒に直接する機会は個別になり、全体への指導は掲示のみです。

まとめ – 編集部より

いかがでしたか?

今回は、普段あまり知ることのできない「保健室の先生(養護教諭)」の仕事内容を、細かく聞くことができました。

けがや病気の生徒がいないときも、児童・生徒の健康を考え、よりよい生活習慣を身につけてもらうために、1年間、季節に合わせた保健指導を行っていることがわかりました。

保健室の先生(養護教諭)を目指す方、保健室の先生(養護教諭)の仕事について知りたい方は、ぜひこの記事をご参考ください。

本記事は、2020年6月6日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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