福井県の公立小学校で働く20年のベテラン先生の仕事内容・給料レポート

現役もしくは元・公務員へのキャリア・アンケートです。

今回は、「福井県」にある「公立小学校の先生」(女性)に回答いただきました。

仕事内容、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてアンケートしたものを編集して掲載しています。


はじめに

「福井県」にある「公立小学校の先生」(女性)によるキャリアレポートです。

レポート者のプロフィール

公務員としての職業・勤務先:小学校の先生 / 福井県にある公立小学校
性別:女性
雇用体系:正規雇用(21年間)、退職後非常勤講師(4年目)
所有資格:自動車運転免許、小学校教諭一種免許

「小学校の先生」を目指した理由

小学校の頃に大好きな先生がいて、その先生に憧れて教員を志しました。当時人気があった「熱中時代」というドラマも好きだったので、その教師像にも憧れて、いい職業だとおもいました。また、親からも安定した信用の高い教員という仕事を勧められたためです。

「小学校の先生」の仕事内容について

一番重要な仕事は授業を行うことです。小学校では学級担任制をとっているため、いろいろな教科を担当します。各学校に配置される教員数によって違いはありますが授業時数が週に30時間で、そのうち22〜25時間くらいの授業を担当する場合が多いです。授業をするためには準備が必要なため、教材研究を行い、授業の計画を立てたり児童に配布するプリントや資料を用意すること、また、授業後はノートをチェックしたりテストの採点をしたりという仕事も付随してきます。

授業のほかに学級通信を書いたり、学級会計をまとめたり、児童の出席状況を記録したりといった事務的な仕事もあります。 授業のほかに教員に割り当てられた校務分掌の仕事もあります。自分の分掌に関わる学校行事の計画を立てて資料を作成し職員会議で提案したり、他校の教員との会議に出席したりします。行事等の場合はその行事の運営も行います。

さらに、教員は自分の資質を向上させるための研修を行います。県や市町が開催する研修会に参加する他に、研究授業を行って、指導方法について教員同士で学び合ったりします。自分が研究授業を担当するときはその授業の計画案や目的、子どもに学ばせるための方法などを書いた指導案の作成をします。 また、学校の研究内容や取り組みについて市町や県へ報告する報告文書を作成したり、報告会で発表したりする仕事もあります。

「小学校の先生」の1日の仕事の流れ

7時15分 自宅を出て自動車で通勤
7時30分 学校着 登校した児童の指導
8時05分 勤務時間開始 児童の読書タイム
8時15分 学級の朝の会
8時30分 授業1時間目(45分)国語の授業
9時25分 授業2時間目(45分)算数の授業
10時10分 長休み(マラソンや発表会をすることもある)(20分)
10時35分 授業3時間目(45分)図工の授業
11時30分 授業4時間目(45分)図工の授業
12時15分 給食指導
13時00分 昼休み(ノートチェックや採点など、子どもと遊ぶこともある)
13時25分 清掃指導
13時45分 短時間学習
14時00分 授業5時間目(45分)理科の授業 他の教員が担当しているため、空き時間となり宿題のチェックや授業の準備を行う。
14時45分 授業6時間目(45分)社会の授業
15時30分 帰りの会
16時05分 放課後、授業の準備や採点、会議、出張、家庭訪問など
16時35分 勤務時間終了 残業
18時45分 学校を出て自動車で帰路につく
19時00分 帰宅

「小学校の先生」の給料・残業・有給休暇について

月給30万円 ボーナス90万円で年収450万円ほど。教員は残業手当がつかないため、どれだけ残業しても給料は変わりません。

有給休暇は年間20日ですが、前年度にとらなかった休みを次の年に20日間繰り越しできるため、最大40日間とれます。有給は比較的とりやすいですが、休むために自習課題を作ったり、授業の振り替えをして、他の出勤日の空き時間がなくなったりするため、他の日の仕事が大変になります。夏休み期間は夏季特別休暇が5日間とれます。

この仕事で、働いているときに困ったこと

児童生徒といった人間相手の仕事なので、日々いろいろなことが起こり、自分の計画通りに仕事をすることができません。休み時間でも子どもの喧嘩やアクシデント、体調の悪化などがあれば対応が必要です。喧嘩やいじめといった問題は保護者への連絡や話し合いも迅速に行う必要があるため、放課後に急遽家庭訪問を行うこともあります。

そのため家族に「今日は早く帰ってくる。」といった約束はできず、学校へ行ったらいつ家へ帰れるかは分からない状態です。家庭環境に恵まれない子もいるため、放課後学校に残して勉強の補充をすることもあります。


困った点は教員は子どもが好きでなる人が多いため、子どものためになることならできるだけ頑張ってしてやろうという雰囲気が強く、教員自身の労働時間や健康保全は後回しになることです。

また、学力調査や体力調査のほかに、視力の向上、ルールやマナーのしつけなど、さまざまな子どもに関わる問題がすべて学校の課題であるとされる世間の動きがあるため、教員も子どももしなければいけないことに押しつぶされてしまいそうな状態です。

この仕事や職場でよかったこと

公務員であるため、安定した収入を得ることができました。民間企業と違い、倒産する心配もありません。

休暇に関しては、子どもを出産する際には産前、産後休暇が各8週ずつあったので民間よりも多く休むことができました。育児休暇も私のときは産後1年でしたが、今は産後3年までとれます。休んでいる間は代替教員が配置されるため、安心して制度を利用することができました。 互助会制度も充実しており、育児休業中もお金が支給されたため、大変助かりました。

正規の教員は県職員になるため、転勤は県内に限られています。それもほとんどの場合は自宅から通える距離の学校に配属されるため、民間の企業よりも単身赴任などをする人は少ないこともよいと思います。

「小学校の先生」の仕事エピソード

異動した先の学校で担任した学級は、学力の低い子、両親が離婚し母親おらず父親は再婚して別の家で暮らし祖父母と生活している子、母親が精神的な病気の子、虐待の恐れがある子、盗癖がある子など、重い課題がある子が学級の半分近くいました。

毎日の授業で子どもたちに学力をつけていくことも大変でしたし、子ども同士のトラブルも頻繁に起こるため、そのたびに話し合いをして学級づくりをしてきました。家庭訪問も何度もしました。学校外でもトラブルがあり地域の方からも苦情を受けることがありました。

毎朝、学校へ出勤することがつらく、気合を入れて一日一日踏ん張って、何とか2年間担任として過ごすことができました。 大変でしたが、「どうすれば子どもたちが興味を持つ授業ができるか」「どのような学級づくりを進めればよいか」を考えて実践をした結果、自分の教師としての力量はとても上がったと思います。

担任を離れた年に、その学級の保護者の方から「先生の指導はよくわかって算数が得意になったってうちの子が言っていました。」と言っていただき、がんばったことが報われた気がしました。 その学級の中の一人が成長して教員になり、今学校で働いていることもうれしいことです。

「小学校の先生」の職場恋愛について

私の住む地域は、小規模校が多いため一つの学校の教員数が少なく、あまり出会いはないようです。しかし、隣の市では大きな学校もあり、若い先生が多いため職場結婚も時折あるようです。全体的には職場結婚はそれほど多くないと思います。学生時代から付き合っていた人と結婚したり、学校外の友人の紹介で知り合って結婚したりする人が多いです。

一生懸命な先生ほど、朝早くから夜遅くまで学校にいるため、出会いもなく、結婚できないという悪循環になりがちです。そういった教員で独身の方は私の周りに何人かいらっしゃいます。

まとめ ー「小学校の先生」を目指す方へメッセージ

教員の仕事の魅力は、なんといっても子どもの成長を感じる喜びだと思います。自分の関わった子どもたちがすてきな未来を創る人に成長するかもしれません。そして子どもの成長とともに自分が成長できる仕事です。熱意をもって頑張ってください。

本記事は、2020年5月4日時点調査または公開された情報です。
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