実務でも大活躍!保健室の先生の職務を基礎から学べるおすすめの本を紹介

保健室の先生の職務を、基礎から学べるおすすめの1冊を紹介します。


小中学校の保健室の先生に!保健室経営で困ったときに頼りになるおすすめの本

小中学校の保健室の先生は、学校でただ一人の保健のスペシャリストなので、とてもやりがいのある仕事です。しかし、保健室経営などで問題が起きたときに気軽に相談できる相手が身近におらず、自分で調べるしかない場面が多々あるため、保健の専門的な内容をすぐに調べられる本を保健室に常備しておくことが大切です。

そこで今回は、小中学校の保健室の先生が保健室経営や保健指導をしていくなかで、困ったり悩んだりしたときに頼りになる、おすすめの本を一冊紹介します。

現場の保健の先生の声を集めて作られた本『養護教諭の活動の実際』

私が保健室の先生として働く際にとても役立った本は、東山書房から出版されている『養護教諭の活動と実際』です。

》参考URL:林典子(2019)『養護教諭の活動と実際』東山書房

『養護教諭の活動と実際』は、静岡県養護教諭研究会と静岡県の小中学校の保健室の先生たちがつくった、保健室の先生の仕事を基礎から応用まで学べる書籍です。実用的でわかりやすい内容のため、静岡県だけでなく全国の保健室の先生たちに愛用されています。

保健室経営で『養護教諭の活動と実際』が活用できる場面3選

私が保健室で働いている際に、『養護教諭の活動と実際』を活用した場面を厳選して3つ紹介します。

保健室の先生や担任の先生が子どもたちに健康観察をする場面

保健室の先生が子どもたちに行う健康観察は、子どもの心身の健康問題の早期発見・早期対応を図るために大切な教育活動です。しかし、実際に子どもたちのどこを見て健康状態を把握するか、経験を積まないと分からない点も多くあります。

『養護教諭の活動と実際』には、日常や学校行事、感染症が流行している時期など、それぞれの場面に適した健康観察方法が具体的に記載されているため、健康観察を行う際に大変参考になります。

また、教室で子どもたちに行う健康観察の仕方も記載されているので、担任の先生方への健康観察の指導にも役立ちました。

保健室の先生が救急体制を整えたり応急処置を施したりする場面

学校生活中の子どもたちの健康と生命を守るために、万が一の事故や傷病の発生を想定した救急体制を整えることは非常に大切です。『養護教諭の活動と実際』には、救急処置活動の進め方が実例付きで記載されているため、勤めている学校の救急体制を整える際の参考になりました。

とくに何度も助けられたのが、ケガをした体の部位別につくられた外科的救急処置の基本フローチャートです。バイタルの数値や救急車を呼ぶタイミングなどが詳しく書かれているため、実際の事故でとても役立ちました。また学校で起きやすい事故の事例と、外科的救急処置のポイントもたっぷり載っているので、仕事の空き時間に読み込んだのを覚えています。


保健室の先生が学校保健委員会の計画や実施をする場面

学校保健委員会は、学校・家庭・地域社会が協力して学校における健康課題を研究協議し、健康づくりを推進する組織として設定されています。保健室の先生が教員・PTA・学校医・学校薬剤師などの意見をまとめながら学校保健委員会実施計画を組み、研究や発表を行う必要があるため、時間も手間もかかり、保健室の先生の仕事の中でも負担に感じました。

『養護教諭の活動と実際』では、学校保健委員会の運営手順やポイントがまとめられているため、初めて学校保健委員会の計画と実施をする際にとても勉強になります。また学校保健委員会の必要性と法的根拠もしっかり記載されているので、先生方や学校医の協力を仰ぐ理由を述べる際に活用できました。

とくに『養護教諭の活動と実際』をおすすめしたい先生

『養護教諭の活動と実際』は実際に小中学校の保健室で働く保健室の先生たちの現場の声が詰まっているため、下記のような方におすすめです。

小中学校の保健室で働く保健室の先生

『養護教諭の活動の実際』には、小中学校で働いている保健室の先生たちの具体的な取り組みが多く記載されています。そのため、学校保健目標の設定方法や健康診断の法的位置づけなど、他の先生たちには質問できない専門的な仕事をする際の参考書として役立つでしょう。

初めて小中学校の保健室で働く保健室の先生

ベテランの保健室の先生は、保健室の先生としての経験はもちろん、自身が作り上げたお便りのテンプレートや掲示物も持っているため、年度初めもスムーズに仕事が開始できます。しかし、初めて保健室で仕事をする保健室の先生は、知識はあっても保健室経営の経験や作成済みの資料などがなく、全て一からのスタートになります。『養護教諭の活動と実際』には、実際にお便りとして使える資料まで収録されているので、新米の保健室の先生の心強い味方になります。

小中学校の保健室の先生になるために勉強をしている学生

『養護教諭の活動と実際』には、養護教諭の教員採用試験でよく出る法律や専門用語、数値なども分かりやすくまとめられています。「この本が一冊あれば合格できる!」とまではいえませんが、『養護教諭の活動と実際』を端から端まで読み込めば、養護教諭の教員採用試験で必ず力になるでしょう。

『養護教諭の活動と実際』を購入する際は最新版がマスト

2023年4月現在、『養護教諭の活動と実際』の最新版は2019年に発行された第3版です。最新版は改訂学習指導要領や学校保健安全法に基づいて点検・修正されているので、保健室の現場で活用する際や、養護教諭の教員採用試験の参考書として利用する場合は必ず最新版を購入してください。

まとめ

以上、「実務でも大活躍!保健室の先生の職務を基礎から学べるおすすめの本を紹介」でした。

保健室の先生を目指す人も、現職で働いていらっしゃる先生方も、必携の1冊だと思います。ぜひ、参考にしてください。

本記事は、2023年4月26日時点調査または公開された情報です。
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