「公立小学校の先生」を目指した理由
私は、もともと外交的な性格で、子供に教えるのが好きだったこともあり、教員免許取得後は学習塾の講師として就職しました。
しかし生活時間が不規則なのと、勤務先によって給与に大きな差があるので、安定した生活時間と将来を考えて教員を目指しました。
「公立小学校の先生」の仕事内容について
数年前に退職したときは、小学校3年生を担当しており、初めて学年主任になりました。
学年は2クラスあり、もうひとつのクラスの担任は新任だったで、学年の仕事の8割を私が担い、2割を任せ、協力して授業を作り上げていました。
新人指導は仕事量も増えて大変でしたが、それまでやってみたいと思っていた授業やクラス作りができましたし、人を育てるということが教員の仕事と共通していて、やりがいを感じました。
クラスの主な仕事内容は、毎日の授業の計画・準備、子供たちの提出物のマル付けや評価、欠席や調子が悪い子へのサポート、学級通信や時間割などの配付物作り、長期休暇の宿題作成、通知表作りなどです。
また、土日に動物園や博物館など、課外授業の下見に行くこともありました。
他にも、
・運動会や学習発表会・授業参観などの行事の企画
・校内研修を進める委員会
・親睦会係
…など、クラスの他にも校内でいろいろな役割を担当しました。
また、個人参加ではありますが、放課後に他校の先生方とチームを組んで研究授業や講習会の企画をすることもありました。
「公立小学校の先生」の1日の仕事の流れ
7時過ぎ 自宅を出て、車で通勤
7時30分 到着、クラス準備、天気が悪ければ外で登校指導
8時10分 職員会議、一日の打ち合わせ
8時35分 ホームルーム
8時40分 1時間目
9時35分 5分間休憩
9時40分 2時間目
10時15分 中休み(20分) 子どもたちとおにごっこなどをして全力で遊ぶ
10時40分 3時間目
11時25分 5分間休憩
11時30分 4時間目
12時15分 給食準備、配膳指導、いただきます、子供全体の様子を見て、おかわりにも対応しながら自分の分の給食を全力で食べる
後片付け
13時 清掃
昼休み(職員室に戻って一息付ける時もあります)
13時35分 5時間目
14時20分 帰りの会、さようなら
学年打ち合わせ、事務仕事
16時前 職員会議
仕事
18時30分 帰宅
授業以外の業務状況について
小学校なので部活は無く、放課後のクラブ等も無い学校だったので、自分の仕事に集中できる環境でした。
友人がバレーボールクラブの担当をしていて、平日1時間は拘束されるという話を聞くと、時間的にも体力的にも大変だなと思います。それなのに特に残業手当なども無く、私と同じ給与だということに申し訳なく思います。部活を担当する教員の拘束時間か手当を改善すべきだと思っています。
授業以外の業務で大変といえば、マル付は本当に時間がかかります。30人クラスで3度課題があれば90枚のマル付をしなくてはならないので、日々大変です。しかし子どもの理解度や、考え方、授業態度などを知る大事な手掛かりなので、他に委託することのできない作業だと思っています。
「公立小学校の先生」の給料・残業・有給休暇について
私の場合ですが、配偶者がいないときは、月給は30万円弱でした。ちなみに、ボーナスは約100万円で、年収は約460万円ほどでした。
自分の仕事の進み方次第で、残業はありました。長期休暇は有給はとれますが、担任を持つと普段の休みはまず取れません。
この仕事で、働いているときに困ったこと
勤務先の雰囲気によって、残業すべきか早く帰宅すべきか悩みました。
最初の勤務先は都市部で仕事量が多かったため、21時過ぎまで残業は当たり前で、一緒の学年の先生も残業大好きな先生だったので、たとえ自分の仕事が早く終わっても帰宅できない雰囲気でした。
週に1度、ノー残業デーはありましたが、仕事量が減るわけではないので、根本から解決せず、どこかに必ずしわ寄せがありました。
この仕事や職場でよかったこと
「先生」という職業は、公務員のため信用があり、車のローンや住宅ローンの審査が通りやすくて助かりました。共済組合などから金利が低いローンを借りることができるのも利点だと思います。
出産や子どもの進学などの際、互助会からお祝い金を受け取れたり、がん検診などを受ける時に補助金が出るのも嬉しいです。例えば、子供一人につき、出産祝いに6万円、育児給付金に12万円、小学校への入学祝に2万円をいただけます。私は4人産んでいるので、なんと80万円いただけました。
病気やけがの時の扶助も手厚いので、保障の少ない安い保険を選んでも安心して過ごせるのも特権だと思います。
「公立小学校の先生」の仕事エピソード
クラス替えや離任の際、子供たちと保護者からのサプライズに感動しました。
最初の勤務先を離任する時に結婚したのですが、当時私が若かったこともあり、保護者のみなさんが本当にお祝いして下さいました。配偶者も呼んで送迎会を開いてくださったり、PTAバザーのお手伝いに呼んでいただいたりしました。その時に、子供たち1人1人からも心のこもったメッセージカードをもらって、10年経った今でも大切にとってあります。
大変だったことは、保護者との関係をよくすること。関係が悪くなってしまってからでは手遅れなので、子供のけんかや、体調不良など、ささいなことでも電話をするように努めました。
私が子どもだった時とは比べ物にならないほど気遣いが必要で、時に胃を痛めます。
学校の先生の職場恋愛について
私の周りでは、教員同士で出会って結婚している人の話はあまり聞かないです(臨採を含め)。3校で勤務しましたが、そのうち1校で職場恋愛で結婚した方がいましたが、それ以外、職場内での恋愛は聞いたことがありません。一般的にも言えることですが、休みの日に家にこもっていたり、交友関係の狭い場合は、出会いが無くて困っている人が多いです。
学生の頃からお付き合いしてたとか、友人の紹介、結婚式の二次会、余暇活動で知り合ったという話を多く聞きまして、そのうち9割以上は異種業です。また、結婚相談所でよいご縁を見つけたという話も2,3件聞きます。
まとめ ー「学校の先生」を目指す方へメッセージ
人間関係で心痛めることもありますが、教員は人間同士のつながりやあたたかさを感じることができる職業だと思っています。
子供も教員も一緒に、人として成長できる場です。
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