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【子どものケンカ多め?】「小学校の中学年の担任」の仕事内容

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目次

小学校中学年の教員の特色は?

「小学校中学年」とは、小学校3年生~4年生のことを言います。学校業界の中では、経験年数の浅い教員が、この中学年の学級担任をすることが多い傾向にありました。

低学年(小学校1年生~2年生)は、入学して間もない時期であること。高学年(小学校5年生~6年生)は、卒業に近づくとともに、学習内容のレベルが上がること。これらから、経験年数のある教員が学級担任をすることが多い傾向にありました。

しかし、小学校中学年の9歳前後の子どもたちの特徴を「ギャングエイジ」ということもあり、最近は経験年数の浅い教員がなる傾向にあると、必ずしも言えないような状況になっています。

「ギャングエイジ」とは、親の目から離れて友だち間の関わり合いが強くなってグループを組んでいき、それとともにケンカも多く発生し、そうした経験をして道徳心を身につけるような時期であるなどと言われています。こうした子どもの成長に大きな節目を迎えることから、「9歳の壁」などと言われることもあります。

中学年の教員には、こうした子どもたち同士の関わり合いが強くなっていることを自覚しながら働く必要があります。

そうは言っても,子どもたちは大変素直で可愛らしい時期でもあります。「先生~これ見て」「一緒に遊ぼう」などと,高学年と比べても教員との関わり合いも求めてくることも多いです。

低学年までの小学校に慣れる雰囲気とは違い,成長を実感できる機会がますます増えていくような雰囲気にあるのが中学年ならではの特徴です。

そんな,他の学年段階と比べて伸びしろが大きい子どもたちを支えるのが,小学校中学年教員の特色です。

小学校中学年の教員の実際の仕事内容

仕事1:担任としての学級経営の仕事

小学校中学年の教員は、どのような仕事をしているのかを見てみましょう。小学校は、教員が決められた学級を担当する担任制度を取られています。よって、学級をどのように運営していくのか,つまり「学級経営」という仕事が第一であり、そのメインとして挙げられます。

中学年の担任になった際の学級経営のポイントは、子どもたちに学級の仕事を任せる機会を増やしていくこと、友だち同士のつながりを大切にしていくこと等があります。

低学年までは、「学習係」「生きもの係」「黒板係」などの係活動は、必要なものを提示し、なりたいものを1人1人が決めるような形式をとることが多いです。


しかし、中学年になると、学校生活の様子が慣れてくる時期ですから、「こんな係活動がクラスには必要だね」などと自分たちで話し合って必要な係を出し合ったり、1人1人が係の役割を決めていったりする可能性を秘めています。

もちろん、地域などの実態によって、そこまで中学年の子どもたちに任せられないようなこともあるかもしれません。しかし、中学年の教員は、このように徐々に子どもたちが自治的な活動を見守って行く仕事も増えてくると言えます。

また,こうした子どもたちに任せる場面があると、先にも述べたような「ギャングエイジ」の時期ですから、揉め事やケンカも増えてきます。

「先生!○○くんが掃除をさぼっていた」「みんながぼくをいじめてきた」などと、いわゆる「チクリ」がしばしば発生します。

中学年の教員としては、こうした「チクリ」でいちいち動揺していられません。揉め事やケンカをしながら子どもが成長すると考えていきたいものです。

しかし、揉め事やケンカをそのままにしてしまってはまずいですし、いつもいつも叱ってばかりでしたら、雰囲気も悪くなってしまいます。

そこで、「クラス開き」などと言われる1学期の1日目の学級開きなどで、「つながりを大切にしたクラスにしたい」などと理想の学級像を、事前に子どもたちに話しておくことが大切です。

さらに、クラスで悪いことばかりをいうのではなく、帰りの会などでほめ合うような場をつくるようなことも大切です。

仕事2:日々の授業の実践

中学年から、「社会科」「理科」「書写(毛筆)」「総合的な学習の時間」などの新しい学習がスタートします。

小学校の担任は、基本的に全ての授業を担任するので,これらの授業をどのように進めるかを計画・準備をし、授業を行う仕事もメインの仕事です。

ただし、地域によっては「専科教員」と呼ばれる、その教科専門の先生が授業の指導をすることがあります。具体的には、音楽・図工・理科・書写(毛筆)などが挙げられます。

仕事3:保護者とのコミュニケーション

保護者の方々とのコミュニケーションも,大切な仕事です。どの学年段階でもあるような,年に数回の保護者会・家庭訪問・個別面談など,地域によって多少の形は異なりますが,様々なコミュニケーションを取る機会があります。

もちろん,日々の学校の様子を「学級通信」などの手紙で伝えたり,電話で話をしたりするようなコミュニケーションもあります。

中学年教員になると,子どもたち同士の揉め事やケガなどの報告が,他学年に比べてやや多い傾向にありますので,保護者とのコミュニケーションを取る機会が比較的多いと言えるかもしれません。

仕事4:その他の仕事

中学年の行事を計画したり、引率したりする仕事もあります。中学年では宿泊を伴う学習行事はほとんどの学校ではありませんが、「社会科見学」として市の施設散策、浄水場やゴミ処理場などの見学などがあります。


小学校中学年の教員同士の関係について

どの学年でも共通していることが、同じ学年で他の学級の先生同士でのチームワークです。中学年の教員同士の関係として特に言えるのが、先に述べた「社会科見学」に合わせて、計画的に仕事を協力して進めていくことが挙げられます。

「社会科見学」とは、その名の通り、社会科の授業で学習していることを関連させて、学校外の施設等に出向き、学習を深めるような行事です。

当たり前のことですが、他の学級と授業の進み具合を合わせていかないと、社会科見学で学習することにズレが生じてしまいます。

もちろん、最低限学習させる内容はどの学級も達成させた上で、各学級の担任の先生の個性を活かして授業を進めた結果、良い意味でズレが生じれば良いのですが、限られた授業時数などもあることから、なかなかそうした良い意味でのズレなんかはありません。

よって、教員同士で「社会科見学」に向けた授業の内容を、事前に情報交換するなどの関係を作ることは、特に大切だと言えます。

その他、社会科見学のしおりづくりや下見計画など,細かな仕事も学年の先生方とチームワークで進めていくことが大切です。

社会科見学以外でも,担任の先生が教える教科が多い中学年教員ですから,理科の実験や国語・算数の教材など,適切に情報交換をしていくことも大切です。

どんな人が小学校中学年の教員に向いているか?

校内の人事において,「私は中学年の教員になりたいです」などという希望が通ることはほとんどないと考えられますが,中学年教員の経験年数を多く重ねている人がいることも事実です。

では,どんな人が小学校中学年の教員に向いているのでしょうか。ここでは簡単に2つ紹介します。

1つ目は,「ギャングエイジ」という集団を組んでいたずらをする時期の子どもたちの相手をするわけですから,ダメなことはダメと毅然に叱ることができる教員が向いています。

もちろん、低学年でも高学年でも大切なことではあります。ただし、低学年であれば、自分たちでできることがまだ少ないので、教員から面倒を見ることが多く、子どもたち同士の関係から叱るような場面はそれほど多くありません。また、高学年であれば、思春期を迎えてくるので叱り方にもバリエーションが求められます。

2つ目は、中学年の子どもたちと、大人であることを忘れて何か一緒に楽しむことができる教員が向いています。

中学年は、ギャングエイジとはいっても、恥ずかしさや照れなどは高学年よりも少ない時期です。

じゃんけん大会やダンス大会など,子どもたちも楽しく取り組んでくれます。そのような楽しい雰囲気をつくれることによって,子どもたちの不必要なトラブルも減っていきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

中学年の子どもたちが「ギャングエイジ」であることを書いていくと、小学校中学年の教員は大変な仕事だと思われてしまうかもしれません。

しかし、中学年の子どもたちの伸びしろ・成長の可能性はとても大きく、仕事をやっていてとても楽しく感じます。

授業では、挙手を求めると「はいっ!はいっ!」と一生懸命に声を出して、ピンと腕を伸ばしてくる子がたくさんいます。

休み時間では、外で遊ぶことを誘ってくれて、一緒に鬼ごっこするだけでもとても喜んでくれ、終わった時には手をつなぎにきてくれて「楽しかったね」と声をかけてくれます。


給食では,担任も班で食べるようなルールにしているため,自分たちの班で一緒に食べることになると,とても喜んでくれます。

数年後,高学年になった子どもたちが学校行事を引っ張っていく成長した姿を見るのも,感動的で喜ばしいことです。

毎日の何気ない生活の中で,子どもたちから元気をもらえることは多々あります。大変なことや辛いこともありますが,やりがいも多いのが小学校中学年の教員の仕事です。

本記事は、2017年7月20日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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