MENU

【小学校の現場】小学校の先生の「職員会議」って何してる?

当ページのリンクには広告が含まれています。


目次

「職員会議」とは?

「今日は職員会議の日なので、いつもよりも早く帰れます」『ヤッター!』

子どもの時、そんなことがあったと記憶がある方もいらっしゃるかもしれません。

「職員会議」とはその名の通り、学校の職員にあたる教員・事務職員などが一同に介して行う会議のことです。

教職員全員が参加しなければならないので、子どもたちはその時間には学校にいられず、早帰りにするというシステムをとる学校があります。もちろん、普段の時間割通りに授業を行い、放課後に職員会議を行うという学校もあります。

今回は、小学校現場で日々働く教員が行う「職員会議」とはどのようなものか、ご紹介していきます。

職員会議にはどんな目的があるのか?どんな内容なのか?思わず耳を疑う「職員会議あるある」も!?「職員会議」という仕事について、徹底解説していきます。

「職員会議」の目的と内容

まず、職員会議の目的と内容について解説していきましょう。学校が学校として成立するためには、様々な要件があります。ざっと挙げるだけでも、以下のようなことがあります。

・日々の授業(教科や出前授業など)
・学校運営関係(学校経営方針や年間行事予定など)
・研究関係(研修や授業公開など)
・安全関係(通学関係や防災訓練など)
・クラブ・委員会活動
・儀式的行事(入学式や卒業式など)
・文化的行事(文化祭・鑑賞会など)
・体育的行事(運動会・プールなど)
・PTA関係(※PTA:Parent-Teacher Association/保護者と教職員による組織)
・課外活動(放課後教室や部活動など)

これらのことを、年度当初に決められた担当(※「分掌(ぶんしょう)」と言うことが多いです)が提案して、全員で議論し、決定するというプロセスを踏んでいます。社会科で勉強した国会のようなシステムですね。

おおよその学校は、月に1~2回程度のペースで、職員会議が行われます。それ以外にも、「朝礼」「朝打合せ」「終礼」などを毎日1回行う学校も多いです。これらは、「会議」ではなく「打ち合わせ」ですから、1日の流れを確認したり、児童生徒に関する情報交換をしたりします。よって、「会議」とは異なり、何かを提案して、議論して、決定するというプロセスは踏んでいません。

また、当然のことですが、職員会議で提案する全ての内容が「例年通り」で良いわけではありません。毎年毎年、同じような議題でも、昨年までの反省を踏まえて検討していきます。


もちろん、異動となり別の学校へ移ってしまうこともありますから、その学校ごとによって、上記のような内容も細かいルールが異なります。そういう意味では、「職員会議」という場は、学校でどのような活動をしていくかを決めていく大切なものです。

「職員会議あるある」とは?

年度初めの4月の提案文書は「電話帳」

4月は、1年間の細かな活動を事前に見通して決めていくため、提案する議題も盛りだくさんです。そのため、提案文書をまとめたものは、「電話帳」のような分厚さになってしまいます。

これを読み通すのは本当に大変です。そこで先生方は、インデックスやファイルなどを使って、整理をされていることが多いです。こうした管理が上手なのは、さすが先生という感じです。もちろん、曖昧な先生方も中にはいますが…。先生方も教室の子どもたちと同じように、個性あふれていることが多いと思います。

さて、年度初めの「電話帳」の職員会議資料は、当然ですが書かれたもの全てを読み通して、提案を聞き、議論して、承認を得るというプロセスを踏んでいきます。ですから、膨大な時間がかかってしまいます。

この年度当初の過酷な職員会議の長さも、「職員会議あるある」です。

教師には、忍耐強さが大切ですね。でも、4月というのは、1年間の始まりで気持ちも環境もリセットされますので、そのような過酷な時間も乗り越えていけることが多いと言えるでしょう。

提案は基本「例年通り」路線だが、根回しは非常に肝心

「今年から運動会は秋開催ではなく、春開催にします!」
―そんな大胆な提案を、職員会議にいきなり持ってきたら、多くの先生方から「ご指導」を頂いてしまうことになります。

職員会議での提案は、基本的に「例年通り」の路線で敷かれることが多いです。こう言い切ってしまうと、「だから学校は変わらないんだ…」「教育改革を先生方がどんどん進めていかないと…」と思われてしまうかもしれません。

先にも述べたように、「全て例年通りで良い訳ではない」ので、一見すると矛盾しているように見えるかもしれません。もちろん、子どもたちのことを思って、既存の学校で行われてきたことを批判的に検討することは、非常に大切なことであると考えます。

しかし、先にも述べたように、職員会議で提案することは、非常に膨大なことと、限られた時間で議論・決定をしなければならないのですから、1つの議題で「本当の議論」をしてしまっては、日が暮れてしまいます。

そこで大切なことが「根回し」です。最近は「忖度(そんたく)」という言葉がよく使われるようになりましたが、事前に各方面に話をつけておくことは、この「職員会議」では非常に大切であるというのが業界事情としてあります。

「事前に忖度していたら会議の意味がないじゃん!」と思われる方もいるでしょう。確かに、その一面もあります。しかし、全員が職員会議で顔を合わせて、文書を改めて全員で目を通して、本当にそれが良いかと確認すること自体が、組織として「この方針は皆で決めたこと」と同じ方向に向かっていくことができるわけです。

そのため、色々な便宜を図ると手間がかかるため、根回しもせず「例年通り」に留めてしまうことが多いです。むしろ、他の授業の準備など膨大な仕事があるため、そのようにしないと自分が潰れてしまうというのが正直な所でしょう。

先にも述べたように、先生方にも個性があるわけですから、自分の意志で「例年通り」を変えようと忖度しても、それが通らない…なんていうこともしばしばあります。

筆者個人としては、それに屈せずに、子どもたちのためであるという強い信念を持っていることであれば、「例年通り」という基本路線を崩していくことも、非常に大切なことであると考えています。


もちろん、新卒1年目だったり、異動して1年目だったりの学校であれば、「郷に入っては郷に従え」という精神も大切でしょう。その学校ならではの文化というのもある訳ですから、まずはその実態を1年かけて理解して、2年目以降で仕掛けるというのがセオリーだと思います。

こうした「根回し」を上手にするためには、日々の職員室での先生方同士の「横のつながり」が大切になってきます。先生方同士で食事会や飲み会などに行って、自分が野望としている「ここについては、今年は違う形で、職員会議で提案したいんですけど…」と相談してアドバイスをもらうことで、自分の信念を職員会議で貫き通して、「例年通り」路線を打破するなんてこともできるはずです。

後半は、少し話がそれてしまいましたが、「職員会議あるある」の2つ目は、「提案は基本「例年通り」路線だが、根回しは非常に肝心」でした。

会議で諮っていないことが勝手に決まることがある

「えー、今年からこんなアンケートを子ども・保護者・先生方に年3回してもらうことになりましたので…」
こうした会議で諮ってない事項が、勝手に決まって管理職から告げられることも、「職員会議あるある」です。

「職員会議」のルールに従えば、反発することも多いと思います。しかし、公立学校はあくまで「公務員」な訳ですから、その学校を管轄する地方教育委員会(市町村・都道府県)から、様々な調査などをするようにと各学校へ依頼が来ることがあります。これには当然管轄されている公立学校には拒否権はありませんから、それに従うしかありません。

ちなみに国立学校であれば、管轄は大学となりますので、大学からの調査依頼などが来ることもあります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

教職員全員が会議に参加して開催される「職員会議」の目的や内容について、ある程度ご理解いただけたでしょうか?

子どもたちにとっては、「職員会議」がある日は、早く帰れてラッキー!かもしれませんが、教師にとっては、学校の活動内容を決定するための会議でもあることから、とても重要な会議であることをお分かりいただけたと思います。

本記事は、2018年10月27日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

コメント

コメントする

目次