雨の季節は教室内での子どものケガに注意
梅雨など雨が長く続く季節の小学校では、外で遊べない子どもたちがフラストレーションを溜め込んでいます。そのため雨の季節は、体を動かしたい子どもたちが狭い教室内で暴れ、転倒や衝突などでケガをして保健室を来室するケースも多いです。
教室内でのケガは、とくに机や床に体の一部をぶつけるなどの打撲が多く、頭を強打するなど病院の受診が必要な事故も多いため、雨の日の保健室は意外と忙しく、保健室の先生もピリピリしています。
そこでこの記事では、雨の季節に校内で起きたケガの事例を3つご紹介します。小学校の保健室の先生や、保健室の先生を目指す方が雨の日のケガを対策する際の参考になりましたら幸いです。
雨の日の教室でのケガ事例1:机の角で額を強打した子どもの額から出血
雨の日の保健室に、額から出血した小学2年生の男子児童が来室してきた事例を紹介します。
ケガをした男子児童の話によると、教室で友人とふざけていた際に転倒し、机の角で額を強く打ちつけたとのことでした。
男子児童の額はぱっくりと割れてそこから出血をしていましたが、出血の割にはキズは浅く、救急車の要請は必要ないが病院の受診は必要だと判断し、キズを圧迫止血しながら電話で保護者に迎えの依頼をしました。
その後、子どもは病院で数鍼縫い、翌日は包帯を巻いた状態でしたが元気に登校してきました。
雨の日の教室でのケガ事例2:友人と衝突した子どもの前歯がかける
雨の日の保健室に、口から出血した小学3年生の男子児童が友人たちに支えられながら来室してきた事例を紹介します。
ケガをした男子児童の話によると、教室前の廊下を走り回っていたところ、前から来た友人と衝突して転倒し、床に顔面を強打したとのことでした。
口から出血していたため口内を確認すると、上の前歯がかけており、友人がかけた歯を持っていたため、かけた歯を生理食塩水に入れて保存しました。口内の出血は少ないものの、歯がかけてしまったため、子どもの口元を止血したり冷やしたりしながら、保護者に歯科を受診して欲しいと連絡しました。
その後、ケガをした子どもは歯科でかけた歯や口内のケガを処置してもらい、翌日には元気に登校してきました。
雨の日の教室でのケガ事例3:ロッカーを蹴った子どもが左足の小指を骨折
雨の日の保健室に、小学6年生の男子児童が足を引きずりながら来室した事例を紹介します。
ケガをした男子児童の話によると、友人とふざけてロッカーを蹴った際に左足の小指を痛めたということでした。
視診で小指の腫れを、触診で小指が曲がらないことを確認したため、骨折の可能性があると判断し、患部を冷やしながら保護者に病院を受診して欲しいと連絡をしました。
その後、ケガをした子どもは整形外科で左足の小指を骨折していると診断され、固定などの処置を施されました。翌日は松葉杖をつきながら登校し、保健室にケガの様子を報告しに来てくれました。
雨の日の教室で子どものケガを防ぐための対策
雨の日の教室で子どものケガを防ぐには、子どもたちに室内で暴れることの危険性を知ってもらうのが大切です。
私は、校内放送や保健だよりを利用して、室内でのケガの事例を子どもたちに保健指導したり、児童保健委員会を活用して、どのような場所でどのような事故が起こりやすいか掲示物を作ってもらったりしていました。
また、教室や廊下に不要なものが置いてあると子どもが転倒する恐れがあるため、担任の先生方に教室や廊下を定期的に片づけて欲しいと依頼しました。
上記のような対策を行っていても、やはり雨の日は子どもたちのフラストレーションが溜まり、室内で走り回ったりふざけたりしてしまいます。そのため万が一のケガに備え、保冷剤など打撲した部位を冷やせるものを多めに用意するのがお勧めです。
そして雨の合間に少しでも晴れた瞬間は、子どもたちに積極的に外に出て体を動かすよう、ぜひ声掛けをしてみてくださいね。
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