公立の高等学校の先生と、私立の高等学校の先生の違い
公立の高等学校は、都道府県立や、市町村立など、各地方自治体が設立、運営しているので、先生は自治体が行う採用試験に合格してそれぞれの高校に配属されるという特徴があります。そのため、短くて3年程度、長くて6〜8年程度で自治体内の高校間での異動があります。
一方で、私立高校は学校や法人ごとの採用になりますので、異動は同じ学校法人グループの学校内など、限られた中で行われます。
公立高校の先生の仕事内容
公立高校の先生の仕事内容について紹介します。
担当教科の指導
高等学校では、中学校に比べてより専門的な内容を生徒に指導します。また、生徒の学習レベルが高校によって様々だという点も、公立の中学校とは異なる点です。
高校で教える教科・科目は中学校よりも多様化しており、普通教科である「国語・社会・数学・理科・保健体育・芸術・外国語」などのほか、専門教科として「農業・工業・商業・水産・看護・体育・音楽・美術」などを教える公立高校もあります。
高校は中学校に比べると学級の生徒数も多い場合があり、教科の専門化も進んでいるため、先生ひとりにつき一教科を担当するケースが多いようです。
担任としての指導
公立高校の先生は、担当教科を指導するだけでなく学級担任を持つこともあります。担任として、進路などの学習面や、精神面のサポートをすることもあります。「総合的な学習の時間」を担任が受け持つという学校もあります。
小学校、中学校ほど担任の先生が生徒と過ごす時間は長くはないかもしれませんが、悩みが多様化する高校生に対し、どのようなサポートが必要なのかを適切に見極め、例えばスクールソーシャルワーカーやカウンセラーなど、生徒が安心して相談できる相談先に繋げてあげるのも担任としての重要な仕事です。
生徒会などの指導
生徒会などの生徒活動の指導担当になる高校の先生もいます。生徒主体の活動を尊重しつつ、活動上で困った時には適切にアドバイスをします。
部活動、クラブ活動の指導
部活動の顧問やコーチとして、指導を担当する高校の先生もいます。部活動の内容について直接指導するだけでなく、対外試合や大会の引率、事務などを引き受ける場合もあります。
部活動やクラブ活動については、学校によって取組や、校風の違いが大きいです。何かの分野の伝統校、強豪校などは外部の指導者に指導をお願いしている場合もありますが、歴代の生徒たちが活動を受け継ぎ、異動のある教員が指導を担当している場合もあるので、学校によって本当に様々です。
高等学校教員の職業紹介動画(厚生労働省)
厚生労働省が公開している、「高等学校教員」の職業紹介の動画です。参考にしてみてください。
まとめ - 公立高校の先生の仕事は、短く濃く!しかし、そのための準備が必要!
以上のように、公立高校の先生の仕事内容は多岐にわたります。
小・中学校に比べると担当する授業のコマ数は少ないのですが、指導する内容はより専門化しているため、授業の準備にかかる時間が多いと感じている先生もいるようです。
また、勤務時間も小・中学校と高校では異なる場合があります。昼間に授業を行う全日制高校の場合は、月曜日から金曜日の1日8時間勤務で小中学校と変わらないのですが、高校にはそのほかにも、働きながら学校に通う生徒などのために、夜間に授業する定時制高校や通信制高校があります。
勤務する高校によって、勤務体系が異なるケースがあるのです。
また、これは小中学校と同様ですが、高校の先生も教員となった後に、専門教科や生徒指導などの能力向上のための研修が盛んに行われています。
担当する教科についての専門的な知識や技能はもちろんのこと、一般的な教養や、多様な生徒に対する理解を深めるためカウンセリングに関する知識や技能も期待されており、そのような専門分野以外の勉強にも力を入れる先生もいます。
このように、高校の先生は、ひとりひとりの生徒と過ごす時間は短くなる傾向にあるものの、そのための準備に時間をかけ、各方面で勉強や研究を重ねることを仕事としています。
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